第四十二話 初セーリング

今日は、今年初めてのセーリングでした。この寒いのに6人集まってのセーリング
天気も良かったので、寒かったですが、良い一日でした。わずか2時間ばかりの
セーリングでしたが、2,3ヶ月前に始めた方が多く、皆さん交代で舵を握って、
みんなで覚えて、この5月にはスピンをあげようと意欲満々でした。

ひとりの方が、この年になると体で覚えるより先に、頭で覚えて理解するのが先
だと言われていましたが、確かにそうですね。パソコンなんかでも、若い人は先に
扱いまわして覚えてしまいますが、我々はそうは行かない。まずは頭で理解して、
納得してからでないと覚えられない。やたらのロープがたくさんあるので戸惑う事
もありますが、慣れればたいした事は無い。理屈を理解すれば簡単な事です。
一本一本のロープを目で追って、どこに繋がっているか、何の役目をしているか、
それを見れば誰でもすぐに解ると思います。でも、実際使って見ないとピンとは
来ないかもしれません。使ってみるのが一番です。

最初は誰でも意欲満々です。こんなに寒い時だって構わない。どんどん乗りたくな
ります。これを維持していくのが難しい。慣れる事は良いのですが、慣れれば新鮮
味が薄れてくるので、常に何かを目標にしないとキープできませんね。皆さんの
検討を祈ります。自分で面白いものに演出していかないと、ヨットというのはとりあ
えず乗れるようにはなる。比較的簡単です。でも、それで満足してしまうと乗らなく
なるので、この後をどうするかではないでしょうか?彼らはスピンをあげたいと思っ
ておられます。この日初めてスピンをバッグから出した。20年近いヨットですが、き
れいなスピンが入ってました。

ジブやメインセールでも同じですが、セールを出せば、とりあえずは走る。そこまで
となると、後は舵を握っている人以外はする事が無い。それでもう一歩踏み込んで
トリミングの事を考えてみる。ああでもないこうでもない、そういう事を少しでも踏み
込んでみてはいかがでしょうか。そうなるとやる事はたくさん出てくる。

一般的なクルージングでは、あまりそういう事までやらないケースが多い。セールを
出す。後は、みんなで世間話。それが悪いわけではありませんが、それって、初心者
の頃か、余程良い風吹いていないと何かもうひとつヨットに関しては関心が薄れてく
るのではないかと思います。次のタックまで何もする事が無い。ここの所が微妙な
分かれ目ではないかと思います。それを一歩踏み込んで、セールのリボンがきれい
に流れるようにシートを出したり、引いたり、リードブロックを動かしてみたり、そうやっ
ていくと、少し速くなったり、遅くなったり、そういう事を勉強しながら乗るという事も
織り交ぜて、その場、その時の臨機応変にやっていけば、もっと面白くなると思います。
それら微妙な変化を知る為にも、スピード計や風向風速計は非常に役に立ちます。
あきらかに数値で確認ができます。みんなでそれを見て行けば、励みにもなる。
デイセーリングはクルージングですが、いかに速く走るか、滑らかに走るか、レースじゃ
ないけども、それをするかしないかがポイントではないでしょうか。スポーツセーリング
ですね、これは。

スポーツフィッシングという言葉がありますが、たくさん釣る事だけが目的では無く、いか
に釣るが目的で、魚はリリースします。釣りというのは魚という獲物が手に残りますから
まだ良いのですが、スポーツとしてはいかに釣るかが重要でしょう。ヨットは何ら獲物
が残らないので、スポーツするのが一番、いかに走るか、これが長くヨットを楽しむ一番
の方法ではないかと思うのですが。

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