第六十話 セールについて

   
   

最近のヨットのセールは小さなジブというのが多くなりました。以前、レーサーの方にセールについてお聞きした事なんですが、セールの素材はおいといて大きさについてですが、メインセールとジェノアの合計面積が同じなら、大きなメインと小さなジブだと下りの時に大きなスピンと大きなメインになるのでその方が良いとの事でした。それにタックするも小さなジブだと簡単になります。ロングのレースではタック回数は少ないでしょうから問題は無いが、ショートレースだとタックの回数は多くなります。

タックが簡単になるとの事でクルージング艇もそれを採用しジブセールはマストのすぐ後ろぐらいまでで105%から110%程度、昔の大きなジェノア130%とか150%というのは今時の新艇では少ないと思います。それでタックは簡単になりました。大きなメインセールに小さなジブセールです。メインセールというのはブームがあります。バングもあるし、トラベラーもある。ジブセールよりコントロールの範囲が大きいのでそれが大きな面積というのはコントロールの範囲が広くなって良いんだろうと思います。コントロールすればの話ですが。

それでさらにジブセールをマストの前迄に小さくしてセルフタッキングジブというのが増えてきました。より簡単操作というわけです。メインセールは元々セルフタッキングと同じです。それにジブもセルフタッキングにすると舵を切るだけでタッキングができる。何とイージーな。

セルフタッキングは確かに簡単操作できますが、メインのトラベラーと同様にマスト前にレールが敷かれ、そのレールにブロックカーが左右に走る。そのブロックにジブシートが1本だけ通ってコクピットにリード、コクピットからその1本のジブシートを引くか出すかだけの操作です。セールは勝手に左右に動きます。

ただ、レールの範囲内なら良いのですが、風が上りなら良いんですが徐々に横になって行きますとセールをもっと外に出したいとなるわけです。ところがコントロールはジブシート1本のみでシートを出すとセールは外側に出るも上側にも上がり風が逃げていく。これはどうしようも無いのですが、一方メインセールにはバングがあります。バングで持ち上がったセール(ブーム)を下に下げる事ができる。だからメインは良いとしてジブは形状が悪くなります。そこで、ジブは巻き上げてジェネカーを展開すれば良いという段取りになります。これでメインとジェネカー(又はコードゼロ)で走れます。

つまり、セルフタッキングジブというのは上りは良いが、下っていくとジブセールの効果が落ちていくのでジェネカー(コードゼロ)を使いましょうという前提だろうと思います。もちろんクルージングでこだわらないなら別ですが。そしてさらにそれを進化させたのがジブブームという事になります。ジブブームがあれば上りは良いし、下りだってセールを外側に出してもセール形状を保つ事ができる。つまり、これはジェネカーかコードゼロを使わなくても下りの風を走れますよという事です。

上の写真はアレリオン30ですがジブブームは設置しておりません。しかしバウスプリットが設置されてますから明らかに第三のセールを使うという意図が見えます。


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