セーリングには目指す目標がないからどう頑張れば良いのか？と言われた事がある。確かにそうかもしれない。レースには勝つか順位の目標があり、旅には当然目的地がある。だからそれを目指して頑張れる。でも、セーリングはそれが無いからな〜？ セーリングはただ漫然と走るだけなら気分転換にはなるけどそれ以上では無い。捉えようによってはただ退屈感を覚えるかもしれない。だがセーリングは視点が違うのです。走った結果を見てるわけでは無い。走るという、走らせるというプロセスそのものを見ます。そしてその時々に何を感じるかがいわば目標という事になります。 誰もが何かをしている時に何かを感じる。ただ良い悪いという単純なフィーリングだけでは無く、スリル、不安、恐怖、快適さ、滑らかさ、スピード、さらに自分自身の操作から来る変化に対してもまた別の感じがわいてくる。この無限のフィーリングがある中でいかにコントロールして自分のグッドフィーリングをいかに多く感じるか？何らかの目標を達成したら終わりでは無く、フィーリングに終わりは無い。幸いにもセーリング環境は常に変化し続けます。それをどこまで感じとってセーリングできるか？そこに何を感じれるか？ 初心者には初心者なりの、ベテランはベテランなりの感じ方があって、その上達プロセスも変化です。そんな事を意識しながらセーリングすると、自分自身の上達のプロセスも良く分かる。分かるから面白い。 自由自在というのがありますが、これは何もベテランだけが手にしているものでは無く、初級レベルでも自由自在を経験する事ができる。出入港から舵操作とシート操作だけでセーリングはできるし、その操作に慣れて行けば、それ自由自在を感じる事ができる。何も設置された全ての艤装を使いこなさないと自由自在になれないわけじゃない。だから最初は最も簡単な自由自在を手に入れる。そしてこれまで感じてきた様々なフィーリングをその都度意識していく。その為には意識がセーリングとともにある事が必須です。そして徐々に腕が上がっていきますから同じ様にフィーリングを意識する。 フィーリングは初心者の頃、徐々に上手くなるプロセス、もっと進んでいくケース、全て異なる感覚があります。それは自分自身で分かる事です。ただ真っすぐ走る時でさえ感覚は違うし、また違うヨットにのればすぐに違いに気づく。何しろ気づくのは感覚です。電子機器で計測して違いに気づく何てこともあるだろけど、面白さとしては自分の感覚にある。そこに気づけるのは自分の感覚が洗練された証拠ですね。 どこかに行くという目的が無く、レースに勝つという目標が無く、自分自身の感覚に目標がある。そんな事は他人には気づけません。速いか遅いかだけの世界ではありません。自分自身の操作の仕方にもフィーリングがあり、その結果にもフィーリングがあり、そしてそれらは常に進行形です。達成感が得られないという方もおられますが目標を目指す時意識は目標にありプロセスも大事だけれど目標の方が重要になる。それに対しセーリングは常にプロセスを重視していく乗り方だと思います。目標を達成したらそれでひとつが完結します。対しセーリングが終わるとプロセスでの感覚が蘇ります。 以前、グッドフィーリングを目指すと書いた事がありますが、グッドを目指しながらあらゆるフィーリングを愛でるという方があっていると思います。その日の波や風は変化するし、自分自身の気分もその日によって異なる。だから自分の感覚を意識しながら好きな様にその日のセーリングを味わう。良いも悪いもあらゆる感覚を受け入れる。それがデイセーラーでありデイセーリングなのだろうと思います。遠くに旅するのも良いですが、こういうセーリングを愛でるというのも良いと思います。何しろいつでもすぐに目の前でできるのですから。

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