第二十三話 そこまでやるか

   
   

JV60 Jaro 60フットのデイセーラー、もちろんシングルハンドを前提にしています。オーナーは兎に角スピードとパフォーマンスをただ求めた。操作は極めてシンプルでステアリング操作以外は全てボタン操作のみ。キャビンは無い。トイレさえも無い。デッキ下に入ればそこは構造物と機械類や電気配線のみです。
船体はもちろんオールカーボンでバラストは63%。兎に角アップウィンドが好きでコードゼロもジジェネカーも無い。ただセーリングを堪能するだけのデイセーラーなんだそうです。こんな考え方をするオーナーも居るんですね。そこまでやるかという感じがします。

いろんな考え方があって良い。ヨットなんて所詮何にも役立たないわけですし、だから好きな様にして良い。アコモデーションをこれでもかと充実させても良いし、その逆でも良い。何を最も楽しみたいか?それを満たすのが遊びが遊びである所以なのだろうと思います。しかし、ここまで徹底するのは尋常では無い。が、実に面白い。実際の処、割り切れれば割り切れる程楽しめるものかもしれない。


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