第八十一話 さらにシンプル化


      

前話のパフォーマンスクルーザーの内装をさらにシンプル化し、シングルハンド設定をしたのがデイセーラーという事になります。これでも、クルージングはできますが、そのキャビンスペースや装備から、ロングの考え方は無く、近場の数日間程度の設定です。

あくまで使い方次第なのですが、シングルでも気軽であり、しかもハイパフォーマンスを堪能できる。外洋を想定しているわけではありませんが、船体は強靭です。それはセールフィーリングを高める為です。波や風のストレスにも負けない船体こそが、滑らかなセールフィーリングをもたらしてくれます。

このヨットの特徴は、パフォーマンスクルーザーよりもさらに船体は軽量化されていますから、セールも比較的小さなセールであっても、ハイパフォーマンスを実現できるという処にあります。まあ、だいたい一般的なクルージング艇よりもセールは小さ目です。それでも速いというのが特徴的ですね。

今日では、デイセーラーも25フィートあたりから、50フィートオーバーまでもがプロダクションとして建造されるまでになりました。単発的なカスタム艇なら、60フィートなんかもあります。セーリングと言えばレースという時代ではもはやありません。レースをしないからクルージング艇という考え方は、もう古い。

セールを展開して、滑らかに走るスピード感、舵操作のフィーリング、反応の良さ、そういうグッドフィーリングをシングルでも気軽に味わえる。その気軽さと爽快さが何とも心地良い。

写真はアレリオン33.これだって、下の写真ぐらいのキャビンはあるんです。小人数の1,2泊程度なら充分でしょうし、そういうクルージングも可能だという事です。それより、このデイセーラーの魅力はセーリングにあります。それを堪能する為のヨットです。それに何と言っても美しい。


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