第七十一話 レストアの時代がやってくる?


      


船齢10年ぐらいまでの艇を探して欲しい、なんて言われる事がありますが、昨今、皆さんご存知の通り、なかなかそういう中古艇は多くはありません。一方で、20年以上というヨットが増えてきています。30年以上も珍しく無くなってきました。という事は、今後、中古艇に対する考え方が変わるかもしれません。

古いヨットであっても、まだまだ使えそうなヨットばかりです。10年以内程度が無いのなら、古いヨットをレストアするという手もあります。実は、昔、そんな事を手掛けた事もありましたが、当時では、やはり、そんな古いヨットにお金をかける価値があまり認められなかった。でも、これからは変わっていくかもしれません。何しろ、無いんですから。

レストアと一言で言っても、程度がいろいろありますから、どこまでやるか?これにはどれだけ費用がかかるのかという、或る意味不安材料として認識される事もありますが、では、見方を変えて、再構築を楽しむという事も含めた考え方はできないでしょうか?それでヨットは、これから長く乗るにあたってグッドコンディションになります。ただの中古ではありません。造るんです。

ちょっと前にも、そういう事をやりましたが、ヨットがどんどん綺麗になっていくのを見るのは楽しいものです。ただ、業者としてやる場合は納期がありますから、楽しんでる場合では無いんですが、でも、オーナーが自ら関わっていくとなると、納期は気にせず、楽しみながらできるのでは無いでしょうか?乗るばかりがヨットではありません。せっかく、構築する、通常のメインテナンスとはまた異なる面白さを経験できるチャンスと捉えます。

隅から隅まで自分で見て、業者と相談しながら、ああしたい、こうしたいと決めていきます。自分でできる事は自分でする。業者の知識を借りながら、少しづつリフレッシュさせます。マストを倒してチェックして、設置された装備も不要な物は撤去、交換したい物、新しく設置したい物、業者に頼むにしても、自分が関わっていますから、或る意味、自分のヨットを造る様な楽しみを味わえます。兎に角、大急ぎで作業を終わらせるなんて考えると楽しむ処ではありませんから、楽しみながら造るというのがポイントです。

こういうのは、滅多に経験できませんから、乗るだけがヨットじゃ無い。せっかくのチャンスなのです。こういう気持ちを持てれば、レストアを楽しむ事ができる。もちろん費用はかかりますから、それはある程度の予算はくんでおかなければなりませんが、その予算でレストアを遊べるし、綺麗になったヨットを、これから長く楽しむ事ができます。しかも、自分のヨットに詳しくなってますね。そういうメリットは大きいと思います。

ただ、ヨットは何でも良いかといういうと、そういうわけにはいきませんね。自分が好きなデザインである事、それとやはりクラシック系のデザインは、いつの時代でも通用します。と言う事で、これからはレストアを遊ぶ気持ちを持つというのは如何でしょう? 予算内であって、納期さえ気にしなければ、相当楽しめると思います。暇さえあれば、マリーナに通いたくなるのでは無いでしょうか?



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