第五話 ピュアデイセーラー


      

マエストローム34、ピュアデイセーラーです。デイセーラーをさらに追及していくとこういうヨットになる。このサイズでキャビン無しは潔いという言葉がピッタリ。過激?全然そんな事はありません。セルフタッキングジブだし、シングルハンド仕様だし、デイセーラーそのものです。

スピードをさらに高めたデイセーラーですが、一方では水線長が短くなるにも拘わらずスターンに大きなオーバーハングを持ち、そこがクラシック感を醸し出してとっても美しい。美しさは時にスピードよりも優先される事もありますが、これには賛同します。また、キールとラダーはスウィング式でビーチングができる。コクピットには折り畳み式のテーブルもある。無いのはキャビンだけ。

高い帆走性を目指したとは言えレース用では無いし、実際、レースを楽しむ方々も大半はデイセーリングとして楽しんでいるらしい。だから時に家族でビーチングして海水浴とか、コクピットで軽い食事とか、そういう設定がなされている。泊まりなんてしないで、気軽にそういう楽しみ方をする人達の為、そして速いセーリングを楽しみたい人達の為と割り切っているが、欧米ではそういう人達も少なく無い様です。その証拠に、以前ご紹介しましたフッド32もそうだし、昨年フッド24をデビューさせています。それから、これも以前紹介しましたケープコッドやフォーカスなんかもピュアデイセーラーです。

こういうデイセーラーを楽しめるようになったら良いな〜。キャビンなんか無くても良いか、なんて最近ちらほら思っています。サーッと出して走って来る。2時間ばかりのリフレッシュ。泊まらなくても良い。気軽に最高のセーリングを味わってくるだけでも良い。この潔さが良い。それに何たって美しい。それだけでも十分じゃ無かろうか?カッコ良く自由自在に走らせたいヨットです。



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