第十話 仲間をつくる


      

 
クルー不足が言われて久しい。昔と違って、いろんな遊びがあるからとか言われますが、それが原因だろうか?多くの若者達が様々な分野で活躍しています。彼等だって、面白い、興味ある分野にしか行かない。ただ、それだけの事では無いだろうか?

最も数が多いクルージング艇が、セーリングから離れ、キャビンや装備ばかりを強調するようになって久しい。それに伴って、オーナーも無意識のうちに心がセーリングから離れて行ったのでは無かろうか?すると、セーリングはピクニック程度になり、それも意識は広いコクピットに大きなテーブルを囲んで、セーリングに意識が向かう事は少ない。

そういう楽しいピクニックも良いわけですが、それだけじゃあ、クルーになりたいとは思わない。ゲストで充分だ。そうでは無く、オーナーとって、一緒にセーリングに興味を持って走らせる仲間の方が良いのでは無かろうか?ただ、飲み食いして、おしゃべりするゲストでは無く、もちろん、それも良いが、一緒にあれこれ考えて,、時に議論なんかして、伴に走らせる仲間がひとりでも居たら、セーリングはとっても面白くなるかと思います。

だったら、オーナーがまず自分でセーリングに興味を持って、如何に走らせるかを実践する必要がある。セーリングの面白さをゲストにも見せる必要がある。その中から、今は全くの素人だろうが、興味を持つ人が現れるかもしれません。興味ある人と一緒に乗る方が楽しいんです。ゲストと相棒は全然違うと思います。

仲間ができるとより楽しいです。一緒に走らせる。或いは、他の艇と一緒に走るのでも良い。ヨット談義なんかは酒の肴にしても楽しい。ところが、仲間を作るのは簡単じゃない。現代の風潮がそうさせてきたのだろうと思います。それぞれのヨットが別々に分離してしまった。それぞれが別々にピクニックしています。

それを解決するひとつの方法がセーリングなのでは無かろうか?オーナーがまずは、セーリングを探索して行く事では無かろうか?すると、シングルでも面白くなる。すると、仲間もできるかもしれない。両方できるともっと良いですね。相棒がひとりできるだけで、セーリングライフはかなり違ってくると思います。そして、その事が、シングルセーリングをもさらに面白くしてくれると思います。相棒が居ても、シングルは外せない。

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