第十一話 三大テーマ


      

 
いろんな事を散々書いてきましたが、究極的には旅か、レースか、セーリング、この三大テーマのどれを選択するか、これ以外には今の処考えられません。何故なら、これら以外で長期に渡って面白さを継続させていくスタイルがあるのかな?と思うからです。

しかし、現実には、ピクニックか近場への旅、しかも頻度としては低いというのが大半の使い方であり、それに対して、一部の人達が本当に旅を満喫し、レースを楽しむ。どちらにしたって一般が挑むには、理由はどうあれ、簡単じゃ無いと思えて来る。そこでキャビンに注目したが、別荘としても使い切れない。その結果、マリーナには動かないヨット、使われないヨットが多数を占める様になった。

そこで、簡単に目の前で楽しめるデイセーラーが出現し、誰でも、いつでもセーリングを楽しめるヨットが登場した。セーリングはレースで無くても楽しめる。しかし、それも多数派にはならず、一部の人達だけが愛用しているに過ぎない。それはキャビンのシンプル化に割り切れないからだろうか?結局、本当に楽しんでいるのは全体の一部の人達だけという事になる。

海外でも事情は同じで、ただ、ヨット人口が遥かに多いだけに、楽しんでる人達の絶対数も多い。しかし、割合的には同じかもしれない。そこで海外では、動かない大半のヨットのオーナーに対して、もっとリゾート化したマリーナを目指し、リゾート地としてのサービスを提供する事を考える様になる。ヨットなんか出さなくても、マリーナで楽しめますよ。まさしく、ヨットは別荘化している。一方、日本では、まだまだマリーナは保管場所の域を出ない。しかし、例え、マリーナがリゾート化したとしても、毎回、毎年、同じリゾート地に何度も、何年も通うのは、日本人としては楽しめるのだろうか?疑問です。

これらを何とかして、多くの人達がもっと楽しめる方法は無いか?気軽にできて、しかも発展性のある面白さがあるもの。そこで、できるだけ近場に絞ってみたらどうだろう?近場で出来る事、レースであり、デイセーリングであり、ショートクルージング、それも、ある程度は探求心を持って挑む。それが無いと発展という面白さが継続して味わえないから。でも、近場ですから、より気軽に挑む事ができる。クルーの制約や時間の制約等をできるだけ低くしてやれるプチ冒険の様なもの。

ただ、この近場という意識が、一般的なヨットスタイルの認識として定着できるか?そこにかかってくるかもしれません。もし、一般化すれば行動は難しく無くなる。それは今でも物理的には同じですが、重要な事は物理的にでは無く、そういう観念が一般化するかどうかが最も大きな鍵となるのではないかと思われます。

本当は、ピクニックセ―リングが頻繁に行われるようになればと思うのです。でも、単なるピクニック程度では進化に乏しく、頻繁にやるには面白さが足りない。ならば、ピクニックとセーリングの探求という、両方なら良いんじゃなかろうか?

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