第58話 感動の主役になる
| 音楽を聴いて、鳥肌の立つ感覚を得た方は多いでしょう。音楽は感動を与えるものです。でも、 本当は演奏者の方がもっと感動しているのです。絵画を見て感動する。画家の方がもっと感動 していると思います。高校野球の甲子園を見て感動するも、選手の方が感動しています。何で もそうではないでしょうか。見ている者よりやっている者の方が感動が大きいのです。ですから 彼らはやれるのです。自分が感動する為にやっている。 感動を与えられたら、それは今度は自分が感動の主役になる事への誘いです。今度は、他人 のした事に感動するのでは無く、自分がやって感動する番です。何をしても良いのですが、自分 の好きな事をすれば良い。それも表面的では無く、突っ込んでやらなければ感動は得られ無い。 突っ込んでやるには好きな事でなければなりません。突っ込んでやると、辛い事もある。でも、 本当に好きならやり続ける事ができる。やりたい物は困難があっても、どうにかしてでもやろう とするものです。困難にあって挫折するなら、それ程好きではなかったのでしょう。好きな事をや るのに努力は要らない。好きだからやれるのです。楽しいからやれるのです。突っ込んでやって いけば、表面では解らなかった事が見えてくる。そうすると感動できるようになるのです。これは 財産ではないでしょうか、目に見えない財産です。生きている限り、いつかこの財産を得たいもの です。 ゴルフをする方は多いと思います。スポーツは何でもそうですが、うまくなりたいと思います。何故 か?スポーツは相手が居ますから、相手に勝ちたいのです。でも、それだけではありません。うまく なればなるほど、新しい難しさ、レベルの高い難しさが見えてくる。同時に面白くもなる。でも、相手 が居るスポーツは相手がへただと面白みに欠けてくる。ヨットは違います。相手はヨットであり、相手 は自然ですから、自分のレベルがそのまま返ってくる。ここが最大の違いです。自分のレベルに 応じた感覚が得られるのです。うまくなればなるほど、その世界を見せてくれます。ですから、尽きる 事が無いのです。ヨットはあらゆる人に感動を与えてくれます。但し、自分次第です。自分が追求する 心を持てば、それにちゃんと答えてくれる。 ある程度操船できればそれで良い。と思うと、その程度しか見えない。それでも、海に出れば、イルカ や鮫を見て感動する事もあるでしょう。魚の群れで水面が盛り上がってすごい光景を見る事もあるで しょう。夜光虫の美しさを見る事もある。いろんな場面に遭遇しますが、これらはすべて観察者の側に 居るのであって、自分が主役では無い。自分が主役である方が何倍も感動できると思います。 ですから、短時間でも頻繁に乗る事です。その為には気軽さを持つ事です。そして何より、ヨットを追求 する事です。苦しく追求してはいけません。わくわくしながら追求できれば、いつかはきっと感動の主役 になれる。一度でも味わうともっともっと追求したくなります。それで良い。そして、一生続けて頂きたい と思います。 |