第四十七話 ヨット談義


      

昔はアフターセーリングにみんなが寄り集まって一杯飲みながら、難しいヨットの理屈を肴に飲んで楽しんだものです。しかし、近頃はそんなヨット談義も無くなってしまった。こんな処にもヨット減少の要因があるのかもしれません。こういうヨット談義は新しい後継者を生み出す力でもあったと思います。

そこで、インターネットを使って同じ事をしようとしたが、上手く行かなかった。何しろ、会話に臨場感が無い。知識としてはインターネットを通じて得る事もできるが、みんなで集まってやるヨット談義はそれだけが目的では無かった。それはある種のコミュニティーを形成し、ヨット界を盛り上げる役目も果たしていたのではないかと思います。

時代はおひとり様の時代なのか?個人主義、個人責任・・・

それはさておき、個人ならシングルハンドという事になる。考え様によっては、シングルでは我儘にセーリングを遊ぶ事ができる。レースにしろ、クルージングにしろ、誰かが居れば少なからず気を遣う。シングルはそういう気遣い無しに好きな様にできる。好きな走りを味わえる。

セーリングはシングル。ピクニックは家族と友人達と異なるニュアンスで楽しむ。そう割り切ってしまえば、案外セーリングの醍醐味を堪能する事ができる。第一目的をシングルのセーリングにおいては如何でしょうか?セーリングに上達し、より深い味わいを獲得する事が目的です。自分自身が上達していくプロセスを楽しみ、セーリングの深さも解ってくる。それはやる人にしか味わえない世界です。

そして、時々、ピクニックしてみんなでシェアーします。オーナーが心から楽しんでいるヨットに乗ればこそ、ゲストも楽しめる。そして、より多くのオーナーがセーリングを心から楽しむ様になると、再び、ヨット談義ができる様になるかもしれません。

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