第四十八話 トランプの反逆


      

英国のEU離脱といい、トランプの米大統領といい、世界の流れに変化が起き始めた。それはこれまでのグローバリズムから国という単位、国民という単位を重視する動きへの変化ではないかと思います。それを極右と決めつけ批判する向きもありますが、何事も極端はいけませんが、それこそ、グローバリズムが極端に行き過ぎたせいではなかろうか?だからと言って、今更保護主義はあり得ない。だから、その中間あたりの程良い処でバランスを取る必要はあろうかと思います。

グローバリズムは世界の国境をできるだけ低くして自由を、と聞こえは良いが、国境の代わりに、大きな格差を生み出し、超リッチとその他大勢を造り出し、国境の代わりに別な線を引いた。結局、極端はどっちも良くない。自由は良いがルール無しでは混乱するし、自由が無いのも困る。まさしく中庸、何事もバランスが必要なのではなかろうか?

バランス感覚と言われますが、案外気づかないうちに行き過ぎる事が良くあります。それが良いと一旦支持されたら、みんながそこに向かっていき、大きな流れとなって、何か弊害が明確に出てくるまでその流れを止める事はできません。気が付いてもすぐに戻せない事も多い。しかし、アメリカ大統領があそこまで宣言するのは、アメリカだからこそできる事かもしれません。日本じゃ絶対無理かな。良くも悪くもアメリカだな〜。

という事で、みんながでかいキャビンのクルージング艇を支持すると、誰もがそこに向かう。その有効性は人によって異なるはずだが、そんな事はお構いなし。その弊害で誰も傷つく事は無いが、ヨットが動かないという弊害をもたらし、やがては衰退の道を進む。常に大勢が正しいとは限らない。何事も過ぎると弊害が生まれてくるのではなかろうか。

もう一度、各人のヨットライフについて考えても良い時期なのかもしれません。ヨットは極めてプライベートですから、自分で決める事ができる。大統領に宣言してもらう必要も無い。どういう使い方が最も自分に相応しいか?夢は遠く遥かかなたでも、普段はもっと近場を重視した方が良いのではないか?セーリングはもっと身近にあった方が良いのではなかろうか?大げさに言えば、クルージング艇に対する反逆です。

どんな形にせよ、もっとヨットが使われる様な状況になればと思います。それは近場重視ではないか?その近場でどんな使い方をすれば楽しく、面白いか?

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