第二十九話 ビッグボート


      


近所に比較的大きな書店があります。本屋に行きますと、いろんな雑誌を眺めるだけで、何だか、今の時代が見えてくる。何が流行っているのか?何が話題なのか?

この間まではヨット雑誌の舵誌が書棚に置いてありましたが、つい最近気が付いたのですが、その舵誌が消えていました。その代わりかどうかは解りませんが、新しいパワーボートの雑誌がお目見え。これまでボート雑誌が2冊あったので、これで3冊目です。それも、ビッグボートという雑誌で、パラッとめくってみますと、50フィート以上のボートばかり。これが時代なんでしょうかね?その本屋からはヨット雑誌が完全に無くなりました。

何故、ボートは増えてもヨットは増えないのか?まあ、ボートの方が手っ取り早い感じはします。ヨットは面倒くさそう?面倒くさいのは嫌がられる?そういう時代なんでしょう。そんな事はほっといて、我々ヨット派はその面倒くささを面白がる。エンジンで走れば良いものの、そこをセールで走る処に面白さを感じます。それは面倒くささでは無く、インテリジェンスの違いです。

中でもデイセーラーはジェントルマンズボートと称されます。慌てず、騒がず、余裕があって、紳士的に振る舞う。しかも知的である。いつの時代もジェントルマンはマイナーです。だからこそ貴重、存在価値が高い。ヨットならではの楽しみ方をしたいものです。ヨットがいくらマイナーになっても、消える事はありません。何故なら、人類に知性を求める心がある限り。

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