第九話 イーグル 54



    
さて、今回のイーグル54は、以前のB52とM52の中間的デザインです。以前ご紹介したイーグル36や
    44も同じコンセプトなのですが、目指したのは、クルージングでも無く、極端に高い安定性でも無く、また、
    極端に高いスピードでもありません。ただ、このサイズですから、それでも、SADRは30に及びます。
    この数値の高さは、これまでTALKをご覧頂いてきた方には、このパフォーマンスをご理解頂けると思い
    ます。かなりのハイパフォーマンスです。でも、このサイズですから余裕なんですね。よりイージーに、優雅
    に走る。それがイーグルヨットのコンセプトです。

    排水量は9,000kg、B52より軽い。でも、セール面積はB52より38.4uも小さく129.6uです。
    だから操作はし易い。それでSADRは30に達しますから、スイスイ感はかなり高いと思います。バラスト
    重量は3,705kg、安定性は、B52程は無いですが、若干低い程度で、大きくは違わない。イーグルヨット
    の目指す処は、優雅で、スイスイ走る感じであり、見た目のデザインを見ても、それが似合います。

    オール電動/油圧操作は言うまでもありません。ジブファーラーのドラムそのものも電動で出し入れが
    可能ですし、メインシートも引き込みだけでは無く、出すのも電動です。また、敢えて、セルフタッキングには
    していません。 でも、ノンオーバーラップですし、タッキングも簡単。シートウインチは電動で、シートの入れ
    替えぐらいの作業なんてたいした事ありません。このメリットは、セルフタッキングより、ジブの調整範囲が広
    くなります。オール電動なので、このぐらいの作業は、かえってしたくなるぐらいです。セルフタッキングも可能
    ではありますが。

    内装は、広くはなっていますが、シンプルに抑えています。充分だと思いますね。特別にクルージング性を
    狙ったわけでは無く、シンプルには抑えていますが、ロングクルージングだって可能になります。吃水は
    2.2mと2.8mが用意されています。

    超ハイパフォーマンスを狙ったB52、 クルージング性を強化したM 52、そして、イージーハンドリングの
    気軽さを狙ったイーグル54と言えるかと思います。これが、各造船所のコンセプトです。どれもが、サイズ
    アップによるメリットを、それぞれの形でデザインしています。 この三つのうち、イーグル54だったら、慣れ
    てくれば、シングルでも乗ろうかなという気になれるかもしれません。何とも、美しいヨットです。この美しさを、
    優雅に、美しく走らせたいですね。ピクニックセーリングだって、スイスイです。


  
  
  
  
  
    

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