第十話 B 60




     さて、今の処、プロダクション化したデイセーラーでは、最大艇のサイズだと思います。単発的に建造される
     ビッグサイズのデイセーラーは他にもありますが、レギュラー的に建造されるのは、多分、これだけだと思い
     ます。

     サイズは60フィートでも、デイセーラーとしてのアイデアは踏襲されています。後は、このサイズをどう考える
     かだけです。感覚の問題が大きいと思います。欧米ではでかいのがゴロゴロありますから、それに慣れてま
     すと、60フィートがそんなに大きいと感じなくなる事もあります。幅は4.28mです。クルージング艇でこの
     サイズなら、5mは越えているでしょう。それにフリーボードも低いので、案外ボリューム的圧倒感は薄い。

     さて、それは兎も角、B60を見て行きます。 排水量は14,400kg、そのうちバラストは8,500kgです。
     このヨットの特徴は、高いパフォーマンスと高い安定性、セール面積は220uで、SADRは37.6です。
     以前、ご紹介したB52とパフォーマンスとしては同じですが、安定性がさらに高まっています。サイズアップ
     しますと、排水量が重くなりますが、バラストも重くできますから、そういうメリットを活かしています。

     ただ、でかくなると、吃水も深くなる。このヨットの吃水は3.30mです。ちょっと考えますね。ですから、キール
     を上下作動できるようにしているヨットなんかも多いです。

     いくらシングルハンド仕様とは言っても、このサイズのシングルはなかなか勇気が必要かもしれません。でも、
     ダブルなら割と楽にいけるんじゃないでしょうか? マリーナからの出し入れさえクリアーできれば、後は楽だ
     と思います。ゆったり操作しても、スイスイ走る感じは、何とも言えないでしょうね。まあ、このサイズをひとり
     で乗る事は無いかな? でも、ゲストを載せてというのはあると思います。そんな時、このサイズを自由自在に
     操れると何とカッコ良い事か。いろんな物がごちゃごちゃあるヨットより、スッキリして、美しいと感じます。
     サイズは兎も角、ロングのクルージングじゃ無い限り、デイセーラーの方が使い勝手もあると思うのですが?


  
  
  

  
    

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