第30話 個性

個性の時代とは昔から言われてきました。私が学生時代からも言われ、個性ある人とか、
そして同時に協調性とか言われ、これは矛盾するのでは、と思っていました。今でもあまり
当時と変わっていないような気がします。本来はみんな個性がある。しかし、その個性を隠
し、同一に並ぼうとする。それでは誰も幸福にはなれない。でも、みんな幸福になりたいと
いう。言ってる事とする事が矛盾しているわけです。

個性的であることは他人と違う事を考え,行動する事では無く、本来の自分になる事。自分
が最も自分らしい、心地良さを感じる事ではないでしょうか。それが偶然他人と同じであって
も構わない。自分が心地良ければ良いのです。同時に他人の心地良さを認める。

ヨットで世界一周する人が居る。博多湾から出た事無い人が居る。どちらも良いのです。本
人が楽しければ良い。嵐の中をかいくぐってきた経験を持つ人が居る。良い天気の時だけ
乗る人が居る。どちらも良い、どちらかが上でも下でも無く、自分であれば良い。そうですか、
それはすごいですね、でも、私はまっぴらごめんです。これで良い。

でも、世間では外洋経験者、日本一周、世界へという経験者を重んじる傾向にある。確かに
誰でもできる事では無いでしょう。すごいですね,と言う。本人が自分の心地良さとしてやった
事なら、その人は幸福です。でも、自慢する為なら馬鹿げている。デイセーリングしかした事
無い人でも同じです。堂々と言いましょう。デイセーリングが楽しいと。何もあえて冒険などす
る必要など無い。人生そのものが冒険ではないですか。

もっともっとデイセーリングを楽しむべきです。外洋に行く人も、いつも行きっぱなしでは無いの
ですから、日頃、デイセーリングをしている人もいつか遠くへと思う。でも、それはその時が来
た時にすれば良い。今は、できる事をする。日頃できる事はデイセーリングです。楽しくて仕方
が無いデイセーリングを実行しましょう。その延長上に遠くがあり、それは行きたい人だけ行け
ば良い。デイセーリングを個性的に楽しむ。遊び方はそれぞれです。いけない事は何も無い。

次へ           目次へ