第六十一話 第三のセールを考える

デイセーラーはセルフタッキングジブとメインセールが標準です。これに第三のセールを考えます。セールの候補は、いわゆるコードゼロタイプ、リーチャー、そして通常のジェネカーです。シングルハンドを想定して、ファーリングにする事、そして生地は0.75オンスあたりで良いかな。

まずコードゼロですが、このセールは上り用、セールメーカーによっていろいろ上れる角度は違いますが、あるセールメーカーでは、上り40度、下り120度という記載がありました。生地はラミネートにする事が多い様ですが、まあ、スピン生地でも良いと思います。価格的にも。重量的にも。

上り用のセール。ジブは小さいので、微軽風時の上りで、抜群の効果を発揮すると思います。ただ、問題は、上りでタックしようと思うと、それができない。何故なら、フォアステーをかわさなければならないからです。という事は、本来はロングを走る時、タックが無い状態が長く続く時、そういう時に良いのかもしれません。

でも、上りの微軽風で、退屈な場面を一変させてくれます。それで、このセールをファーリングにして、タックが必要な時は、一旦巻いてしまう(レースだったら、こんな事やってられません)、そして、タック後に再び展開するという方法も取れます。面倒くさい? 微軽風の上りの快適さと引換えです。どっちが良いのか?一旦、巻きとっても、その価値はあると思います。

このセールは、軽いセールです。従って、風下へ走る時なんかは、多分、130度ぐらいまでは下れると思います。それ以上、下ろうと思うと、メインの陰に入ってきて、それ以上は下れなくなるだろうと思います。ラフが固定されてますから。ただ、バウポールを長く出せば、もう少し下れるかなと思います。もちろん、ジャイブに関しては問題無くできると思います。

さて、このセールのファーリング方式は、ラフにアンチトーションロープ(ねじれにくいロープ)を縫い込んで、ハリヤードでテンションをかけてストレートにします。ドラフトは浅め、だから上れる。逆に、下りはこの為、ジェネカー程は下れないという事になります。

さて、次はリーチャーです。このセールはコードゼロとジェネカーの中間あたり。上りでは60度ぐらいか。下りは、コードゼロよりもう少し下れる。いわるゆリーチング用です。ファーリング方式は、セールのタックとピークを固定しますが、ラフはフリーです。コードゼロより深く、でも、ジェネカーより浅い。

結論的に言いますと、第三のセール1枚と考えると、ちょっと中途半端ではなかろうかという気がします。

最後にジェネカーです。下り用セール。でも上りで80度ぐらいは上れるかと思います。ですからリーチングから下りをカバーします。丁度、コードゼロの反対側に居る。このセールのファーリング方式はリーチャーと同じです。トップダウン方式とも言われます。それは巻いていきますと、トップ側からセールが巻かれるからです。

あくまで個人的な見解ですが、第三のセールを1枚と考えたときは、リーチャーをはずして、コードゼロタイプかジェネカーかという、この二枚のどちらかかなと思います。その選択はオーナーの考え方にもよりますし、また、ヨットの性能にも寄ると思います。

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