第五十話 デイセーラーバリエーション

今回のディナミカ940はデイセーラーですが、かなり速いヨットです。レーサー並みです。
でも、デイセーラーですから、シングルハンド仕様です。オーナーはレースと日常のデイセーリングの両方を楽しむべく、速いデイセーラーというコンセプトを持っておられます。だから、このディナミカであります。

       

デイセーラーでここまでするか? というぐらい、スピードを求めたデイセーラー、これで、デイセーラーコンセプトの幅が広がりました。艤装中、多くの方々が見に来られますが、誰もが、速そうなレーサーと思われます。でも、デイセーラーなのです。そのコンセプトを維持している処に価値があると思います。

デイセーラーという言葉から来るイメージは、多くの方々が、気軽なピクニック的なセーリングというものかもしれません。しかし、実際は全然違う。確かに、他のどんなヨットより、気軽なセーリングはできます。だからピクニック的という印象になるかもしれない。しかし、それだけではありません。

そのパフォーマンスの幅はいろいろあるのですが、どのデイセーラーもセーリング自体を楽しむ事を主として、どの様なパフォーマンスにするかを考慮されています。つまり、セーリングを主体にしますと、そのセーリングをどんな質のセーリングにするかが重要視される事になります。

それはスピードもあるし、乗り心地もあるし、滑らかさもあるし、安定性、操作性等々、セーリングに関するあらゆるフィーリングをどう演出するかになります。そして、それをシングルハンドで乗りこなす。これが条件です。その為、高い安定性、硬いハル、でも軽いハル、シングルにおける操作性、等々が検討されていきます。

今日のデイセーラーは全てシングルハンド仕様です。だから高い安定性を持たせ、そのうえで、シングル操作を可能にし、滑らかなセールフィーリングの為に硬いハルを造ります。パフォーマンスを上げる為に軽く作る事もあります。スピードについては、それぞれ求めるレベルが異なりますから、そのバリエーションが多くなってきました。それが今日のデイセーラーであります。

極めて時化に強いデイセーラーから、レーサー並みのパフォーマンスを持つデイセーラーまで、いろいろあります。その各デイセーラーをスポーツ度で表します。それは以前、散々書きました。
共通コンセプトにおいて、パフォーマンスのバリエーションを知る要素のひとつです。

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