第四十五話 お祭りレース

こういうレースには多くのクルージング派の方々も参加されます。いざ参加しますと、やはり熱くなりますね。抜くのは気持ちが良いし、抜かれるのは嫌です。後ろからじりじり詰め寄られてきますと、イライラしたりもします。逆に詰め寄っていきますと、気分が良い。どんなヨットで参加しても、レースでは競争心が湧いてきます。これって人間の本能でしょうか?

本能を刺激する行為はやっぱり面白い。そこにどっぷりはまるかどうは別にしても、競う行為というのは、人間を刺激します。ですから、オリンピックや野球の試合やサッカーのゲームなんか、見ているだけでも面白い。ヨットレースは残念ながら、外から見ても良く解らない。参加者のみのゲームです。だから、テレビ中継なんかしても、一般は解らない。それが難点。

レースが面白いなら、もっとたくさんのレースが企画されると、もっとヨット界も盛り上がるかもしれません。しかし、参加者は良いが開催する方は大変であります。だから外部には期待できません。

アメリカのどこかは忘れましたが、毎週金曜だったか、夕方の定時にスタートするレースがあるそうです。参加は自由で、その時間にスタートラインに居れば良い。それだけです。それで、金曜の夕方、仕事をそうそうにかたづけてマリーナに走る。

そんな企画をオーナー同士のレベルでできたら良いなと思います。できればワンデザインにしたい。2艇あればできる。誰かそんなレースをしてみませんか?

レースは何故面白いか? 誰もが真剣になるからでしょう。 おふざけでは面白さが違います。という事は面白さを味わうには、真剣になる事だと思います。真剣になったら、何かが生まれます。何かを発見します。だから面白くなる。

という事で、レースで無くとも、真剣にセーリングをする事ができれば面白さを発見できる。遊びだろうが、何だろうが、取り組み方次第。面白さは意識がどれだけそこに集中しているかと比例しているかと思います。

その真剣さを演出するに最も最適な方法はスピードにあるかもしれません。高速になったら、誰もが真剣になります。だから、強風は良い。それで、微軽風でもできるだけスピードを上げる努力をする。絶対スピードは強風には適わないにしても、微軽風でそこそこ走ると、やはり面白くなります。という事で、セーリングをより面白くするには、微軽風を何とかする事になります。そこがセーリングを遊ぶポイントかな?

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