第三十七話 理論的追求

上手くなろうと思ったら、徹底的に理論的な追求が必要だと思います。セーリングは感じるものではありますが、時には、理屈に沿って走らせる事だけを考えても良い。その方が早く上達すると思います。

長い期間に渡って、セーリングをしていくわけですから、ある一時期でも、特に最初の頃に、或は、今からでも、ある一定期間だけでも、理屈を覚えて、それを追求してみるという姿勢は上達には欠かせない。どうせやるなら上手くなった方が良いですから。

そうなると、理屈を考えます。この理屈というのは、何もセーリング中だけにできる事と限定されませんから、家に居ようが、車の運転中だろうが、どこに居ても、その理屈を考える事ができます。上りはどうやって走るのが良いのか? その時のヒール具合やセールのアングルや形状、そんな事を考えて、こうした方が良いとか、ああした方が良いはずとか、セーリング中以外でもセーリングを楽しむ事ができます。

それを次の機会に実践として試してみます。自分が考えた理屈は正しいのか? こういうアプローチの仕方は面白さがあるし、それに上達が早いと思います。

どうやったらシングルができるか? タッキングはどうしたら最も楽で効率的か?いろいろ考えられます。セーリングは理屈+感覚ですが、でも、そのうちのひとつの理屈は先人の長い経験から築きあげてこられた理論ですから、それを学んでいく事は、そのセーリングのもう半分に対しても大きな影響を与えます。

理論的アプローチをしながら、その時の自分のフィーリングにも注意をします。フィーリングの方はそこに気づくだけで良いわけです。すると、両方が楽しめますね。ヨットの本を見ますと、そこにセーリングの全てが書いてあるわけではありません。実際はいろんな状況があるわけで、その基本的な事が書いてある。それを習得していきます.。 実際のいろんな状況に対して、基本を基に考え、対応していく事で、いろんな状況に臨機応変に対応できるようになれる。その為には、頭をフレキシブルに保つ必要もあります。これも面白い処ですね。

基本を学んで、自分で考えていきますと、その応用を遊ぶ事ができます。それが面白さではないでしょうか? その時の気分もきっと良いと思います。だから、まずは理論的追求から始めなくては。

そして、そのベースになるのが、自分で考えるという事になると思います。記憶だけでは面白さは半減します。そこに自分で考える事があって、それはこういう理屈だからこうした方が良いとかを考えてこそ、そこに面白さが生まれてくるかと思います。そうすると、本に書かれた理屈が、いつの間にか自分のものになっていく。自分の応用力も楽しくなると思います。

これら全部が、目の前の海域で、デイセーリングで獲得する事ができます。これからのライフワークに価値のあるテーマでもあると思います。

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