第二話 時間に対する考え方

デイセーリングはセーリングの良い処取りです。もしクルージングに行くなら、何十時間も、何日も、走り続けなければなりません。そんな時にセーリングの妙なんて感じる事は、恐らく無いでしょう。まして、エンジンで走るなら、セーリングは無しです。移動になります。それはセーリングというより、旅という、また別の行為です。

セーリングを堪能したかったら、デイセーリングが最適です。何事も、長時間同じ事が続くと、例え、最初は快走に思えていた事も、苦しくなってきます。だから、変化があった方が面白い。セールを展開して、2〜3時間のセーリングというのは最適な時間ではないかと思います。それ以上長くなってきますと、旅的な要素が少し増えていくかもしれません。或は、間に休憩的な別の行為を挟んでも良いかもしれません。

2〜3時間というのは、人がある事を集中して楽しむのに、丁度良い長さではないでしょうか? それ以上長くなったら、気持ちもだれてくるかもしれません。この2〜3時間の間に、風はいろいろ変化してくれます。その変化にいかに対応するかを遊びます。そして、次のチャンスにも、また違う風が吹いてます。

風の変化を観察して、いかに自分が追随できるか? その対応の仕方もいろいろあると思います。そこに自分なりのやり方を創っていく。それを遊ぶ。遊ぶったって、簡単な事でもありません。風と調和するというのは、かなり高度な遊びです。頭を使いますし、体の技術も使います。おまけに、心も使います。そんなこんなで遊んでいたら、2〜3時間もセーリングすれば、もう充分という感じになるかもしれません。近場で遊んでいますから、すぐにやめて帰る事もできます。或は、のんびりセーリングに切り替えるか、お弁当食べるか。まあ、マリーナに戻って、ゆったりと、コクピットで寛ぐのも有りですね。

デイセーリングは、セーリングを堪能し、その後はまた違う事もできます。2〜3時間というのは、集中セーリングには最適の時間だと思います。そのセーリングには、大きなキャビンは要らないし、キャンピングカーよりもスポーツカーの方が楽しめる。

遠くへのクルージングなら、ある程度のキャビンが欲しくなります。でも、デイセーリングには、シンプルで良い。それより、セーリング性能、操作性、安定感、レスポンス、等々の方が面白い。時間は長ければ良いという事でも無いと思います。

微風、軽風、中風、強風、いろいろ吹く風に、その都度、2〜3時間を割り当てて、その風に対応を工夫して遊ぶ。どの風が吹いていたとしても、2〜3時間なのです。強風で10時間はしんどいですが、短い時間だからこそできる事もあります。集中セーリングが楽しめます。以前、午前と午後の二回に分けて、セーリングを楽しんでいた事もあります。デイセーリングはセーリングの良い処取りなのです。

次へ      目次へ