第九十四話 予算たっぷり？
| もし、価格を気にしないでヨットを手に入れられるとしたら、どんなヨットが良いんだろう？ 理想のヨットですね。誰もが、一度は考えた事はあるかもしれませんが、でも、誰もが真剣には考えた事は無いと思います。こんな非現実的な事を考えてもばかばかしいだけだと、一笑にふす事もできます。が、しかし、ちょっと待ってください。 ちょっと考えると、でかい豪華なヨットとか考えがちですが、でも、まじめに、真剣に考えたら、本当にそんなのが良いんだろうか？ クルーを雇って、自分はコクピットで外人の様にシャンパンでも飲んでる。そんなのが本当に良いのか？ 出し入れの心配も無いし、どこに行けと命令さえしておけば良い。しかし、本当にそれが望みなんだろうか？ 面白いんだろうか？ ポイントは真剣に考える事です。真剣に、あたかも現実であるかのうように、真面目に、できるだけ具体的に考えます。ヨットの購入のみならず、その後の、運営までも具体的に考えます。そうしたら、どういう事になっていくか？ 恐らく、自分が本当に欲しいものが、具体性をもって解るようになるのではなかろうか？ 予算たっぷりだから、豪華なヨットなんて、そんな単純な話にはならないだろうと思います。そのヨットから何を得たいのか？ 何を感じたいのか？ 現実には、予算に制限があります。制限がある現実だからこそ、真剣に考えます。本当に無制限予算なら、手に入れてから考えても良い。でも、そうでは無いから、真剣に考えます。この狙いは、本当に心からの自分の望みを明確にする為です。 真の欲求が明確になったら、それに見合うヨットも解ってくる。でっかいかもしれないし、否、小さくても高品質の方が本当は良かったという場合もあります。低品質で良いなんて人は居ないと思いますが。でも、そんな事を誰も真剣には考え無い。だから、いつまでも、本当の処が解らないのかもしれません。 真剣に考えて、本当の処が分かっても、それを手に入れる事ができるかどうかは解らない。それが現実です。でも、それによって、理想のヨットは手に入らないけれど、何が本当の望みであるかを知っていますから、それに具体性をもって、近づく事はできるかもしれません。 だから、遊びでも、真剣に遊んだ方が良い。真剣であれば、そこから得られる様々な情報を活かす事ができる。 そうですね、もし、予算無制限だったら？ でも、やっぱりシングルハンドでこなしたいし、大き過ぎるヨットも嫌だし、全オートマチックなんて面白く無いし、美しいヨットが良いな。でも、あまりにも気を使わざるを得ないようなヨットも嫌だし、気楽に出せて、使い込んで、メインテナンスして、使い込んだ美しさが出て来るのが良いかな？ それにシンプルで、余計な物は無くて、でも、ひとつひとつは素材も良くて、造りも良いもの。これみよがしの豪華さよりも、さりげない美しさかな〜？ カスタムで造るか、 等々。 もちろん、現実ではありませんが、でも、私の欲求はやっぱりデイセーラーだという事が明確に解ります。どういう乗り方をしたいのかも解ります。実は、以前、考えた事があります。具体的に、サイズもリグもハルの色まで決めてます。バカバカしいでしょう？ こんなバカバカしい考察を、一度、真剣に、あたかも現実であるかの様に、考えてみては如何でしょうか？ きっと、何を欲しているのかが、明確に見えてくるのではないかと思います。繰り返しますが、この考察のキーポイントは、真剣に、真面目に、現実のものとしてどれだけ考えられるかです。 そうじゃないと、本当の処が見えてこない。 夢を語る人は多い。しかし、多くの場合、表面的で、あまり真剣味は無い。まあ、何となくできたら良いかな？ それはそれで良いんですが、でも、一度、真剣に、具体的に考えてみてはどうでしょうか？ そして、本当に現実となったらどうなんだろうか？ 真剣に考えれば、考える程、それが本当に望みなのかが解ってくる。案外、どうも、これは面白くはなさそうだとか、こっちの方が面白そうとか？ バカバカしい考察でも、真剣にやれば、得るものもあると思います。遊びだって真剣に遊んだ方が良いと思います。 |