第四話 キャビンライフVS.セーリングライフ

キャビンライフと言っても、寝泊りのみを意味するわけでは無く、ちょっと昼寝したり、読書したり、音楽聴いたり、或は宴会したりと様々です。それにどれだけの時間を費やすのか?或は、費やす時間だけでは無く、どれだけの重きを置くか?

欧米人はヨットを動かさ無いでも、このキャビンライフの重要度が高い。よって大きなキャビンを欲する。(最近はそうでも無い人達も増えてきていますが)でも、日本人にとって、このキャビンライフがどれだけの比重を占めるか?ここがポイントではないかと思います。

セーリングは誰でも、少なくとも嫌いじゃ無いはずです。そうでなければヨットをやる動機が無くなります。でも、キャビンライフとのバランスをどう考えるか?それによって、セーリングライフが少なくもなるし、多くもなります。どんなキャビンライフを考えるかは、その反対側でどんなセーリングライフを考えるかにもなると思います。

まずは、ヨットに対して、できるだけ頻繁に乗れるように、また、乗りたくなるようにする事が重要で、それはキャビンライフを中心にした方が良いのか、或はセーリングライフを中心にした方が良いのか?そこから始まるのでは無いでしょうか?どっちかしかしないなんて事は無いわけで、どっちが主軸なのかです。気持ちがどちらにより多く傾くかです。微妙な処かもしれません。考えた事も無いかもしれません。

ここの処をしっかり考える事は、これからのヨットライフを構築するに重要なポイントかもしれません。結論は、どんなヨットでも、両方できる。これが答えですが、比重をどこに置くかで、選択するヨットが違ってきます。スポーツヨットが難しいとか、大人数必要という時代なら話は変わってきますが、そんな事は無いわけで、ただ、自分の気持ち次第で、どっちにでも行く事ができます。

ヨットをやるというのは、できるだけ頻繁に乗りたくなる事、その為には気楽になれる事と面白い事が必要だろうと思います。初心者でも比較的簡単に乗れる事は重要でありますが、簡単だけなら飽きてきます。それで、難しさも必要になります。それが長期に渡って続けていくポイントです。誰もが簡単に乗れるが、奥の深さも必要で、そこに面白さを発見していく事が必要だろうと思います。

キャビンライフに重点を置くならば、難しさ、奥の深さというより、気持ちが、別荘的な寛ぎにおいて楽しさを見出す必要があり、これはなかなか日本では難しい。何故なら、マリーナの施設が、整っていないからです。そこに居るだけで、リゾート的に楽しく過ごせるなら良いのですが、なかなかそういうマリーナはありません。それなしで、自分のヨットだけで、リゾート的にリラックスして、楽しめるかがキーポイントになろうかと思います。

もし、それが難しいなら、誰でも簡単に面白さを得ていくには、セーリングしか無いだろう、セーリングが最も良いと思う次第です。そうなると、ただ漫然とセーリングするより、スポーツした方が面白さは得られると思うわけであります。

あるオーナーの奥さん。もちろん、マリーナには来ないわけですが、何故かと理由を聞きましたら、マリーナに来ても楽しくないからとの答えでした。これが全ての答えであります。別に彼女はヨット好きでも無い。別荘的に使うにしても、マリーナは楽しくないであります。つまり、ヨットを長く続けるには、セーリング好きでないと、日本では難しいのではなかろうか?

だから、奥さんにもセーリング好きになって頂きたい。舵を持って操船して頂きたい。ウィンチを回して頂きたい。セーリングを知って頂きたいと思うわけです。その上でお茶しますと、マリーナに何も期待しないで済みます。それだけで楽しさもあると思います。何故なら、アフターセーリングだからです。という事は、日本でヨットと長く付き合う方法は、セーリングを軸とするのが最も良い方法であると思うわけです。何もない、誰も居ない、殆ど居ない、そんなマリーナでヨットに泊まるのは、なかなか難しい。しょっちゅうはできない。楽しさが違う。周りの環境というのは案外重要だろうと思うわけです。ですから、セーリングなのであります。

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