第十九話 集中とリラックス 

最近の脳科学という、ちょっと前に流行った事ですが、その話を聞きましたら、集中と緊張感は違うそうで、緊張感は不安を伴うそうです。それで、集中しながら、同時にリラックスする事もできて、そういう時にある種の快感を覚えるそうです。

という事で、何かをする場合、その技能が高ければ高い程にそういう状態になれるそうです。技能が劣ると、緊張感が増し、リラックス感は減じられる。よって、技能は高い方が良いという事でした。

つまり、上手くなった方が、面白いという事でしょう。上手いと緊張感からは開放され、うまく集中する事ができて、同時に緊張感では無く、リラックスできてる。この集中してリラックスできる処が重要なんでしょうね。

ところが、いきなり高い技量と言われても困ります。それでは、上手くなるまで楽しむ事ができないのか、という事にもなります。でも、我々は確実に面白さを感じた事も事実です。という事は、目指す行為のレベルを分けて考える事ができます。

例えば、良い風が吹いて、それに上っていく。これまでに何度も同じような状況に遭遇し、特段に難しい事は無いという時、そこに集中力を発揮して、同時にリラックス感を持ってあたる。そこにある種の快感を覚えます。しかし、これは簡単過ぎる場合には、集中力を発揮しづらくなるかもしれません。ですから、少しレベルを上げたセーリングも目指す必要はあると思います。

しかし、さらに考えますと、簡単な事だから集中しづらくなり、それで快感を覚えられないとするなら、行為のレベルを上げるという方法もあるでしょうが、一方では、いかに簡単な事に集中力を発揮できるかという事にも重要さを見る事ができます。

例えば、軽風だから、気持ちがだれてくるというのではなく、もし、軽風だけども、それでも、いかに走らせる事ができるのかと、自分でそういう意図を持てたとしたら、集中力が発揮できて、もちろん緊張感は無くて、そこから面白さを引き出す事ができるようになる。

まとめますと、より面白さを得るには技量を高める必要があり、その技量の高さによって緊張感は解され、同時に集中力をもった時、人は快感を得る事ができる。しかし、その技量に見合うレベルのセーリングであれば、例え、そんなに技量を持たなくても同じ味わいを持つ事ができるであろう。但し、その範囲は狭くなるので、先々としては、やはり技量を高めた方が、面白さは増幅する。
逆に、セーリングレベルに対して高い技量を持つ時、緊張感は無いので、そこに集中力さえ発揮できれば、やはり同じ面白さを味わう事ができる。

つまり、面白さを得るには、集中とリラックスなんですね。集中力が高い人は、それだけ面白いセーリングを味わっている事になります。また、集中してセーリングする人は上手にもなっていく。だからもっと面白さを味わう事ができるようになる。

という事は、セーリングする時、集中してセーリングしてみましょう。それが技量を高める事にも繋がります。そして、もっと面白くなる。どんなに快走していても、集中していないと、その面白さは伝わってこない。逆に、集中していると、快走とは言えないでも、何がしかの面白さを感じる事ができる。ですから、意図して、集中してみる処から始めてはいかがでしょうか?それにはゲストが居ない時が良い。だから、ゲスト有りの時と使い分けて。でも、集中力のコントロールが上手になりますと、ほんの短い時間でも集中して、面白さを得る事ができるようになりますね。

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