第十四話 中古ヨット

中古と一言で言っても、2,3年のものもあれば、今日では30年近いものも少なくありません。むしろ、最近では20年以上というのはざらにあります。言うまでもなく、古ければ古い程に、過去のメインテナンス状況が大いに影響します。だからこそ、良く良く見なければならないと思いますね。

しかし、まあ、感心する事は、ヨットは長持ちだという事です。20年以上のヨットがざらにあって、現役で使われて、さらに中古市場に出ても、ちゃんと販売が成立します。もちろん、まだまだ乗れるからです。ちょっと長持ちし過ぎじゃないの、と言いたくもなる? それで、新艇はが売れないわけでは無いかもしれませんが。

古くなったヨットでも、船体はだいたいOKです。問題は機器類です。もし、以前のオーナーがメインテナンスをしっかりしていれば、何も問題はありません。30年も経てば、トイレやポンプ、計器類なんかは当然の如く壊れてしまいます。ですから、どこかの時点で交換がなされます。そうやっていけば、ヨットはもっと長く持ちます。この先どこまで持つのやら? FRPというのはすごいです。

但し、避けられないのはデザインであります。建造された当時では最新でも、今ではもう古い。クルージングにおいては差支えは無いかもしれません。しかし、セーリング性能という意味では、現代のヨットの方が進化していると言えます。技術の進歩や素材の開発、重量も軽く強く造る事ができてきるようになりました。だからセーリング性能という意味では新しい方が速い。

しかし、クルージング性能という意味では、必ずしもそうとは言えません。クルージングにおいて、セーリングしながら、より速くという欲求は少なくなって、多少は重い方が良いし、乗り心地が柔らかい方が良い。そういう意味ではクルージング艇としては、中古はもっともっと使えます。むしろ、昔のヨットの方が良い場合もある。頑丈だし。重いけど。

エンジンはだいたい使えますね。ヨットですから、エンジンはモーターボートのようには酷使されていませんし。これもメインテナンス次第ではありますが。だいたい、船齢の割に、平均的に使用回数が少ないのが現状です。という事で、古いヨットでも、部品を取り替えたりしていけば、どんなヨットでも、船体に問題が無ければですが、使えます。

部品交換して、セール新調して、ロープ類も取り替えれば、りっぱなもんです。という事は、ある程度はメインテナンス費用として、購入金額にプラスするという事は考えた方が良いとは思います。
どこまで必要かは、そのヨットのメインテナンス次第という事になります。ですから、そこを見る必要がある。

現時点で動いていても、それが非常に古いなら、交換する事も考慮した方が良い。ポンプ類やトイレやらですね。ところが、20年も超えていきますと、必ずどこかの時点で壊れていますから、交換されている事は結構あります。そうじゃないと乗れませんから。という事は現役で使われているヨットの方が安心であります。その後の経費は少なくなる。

かつて、中古が20年よりも新しい時代、結構古いままというのが多かった。でも、それがもっと古くなった御蔭で、取り替えられてきた。そういう意味では、古いというのも悪くは無いかもしれません。
後は、船体がちゃんとしているかという事ですね。

今度は売る側の立場で見ますと、高く売りたいのは人情です。しかしまあ、汚いまま、私物は散乱し、タバコの吸殻は山盛り、あっちこっち汚くて、これでは無理があります。だから、本当は、売ると決めたら、私物はできるだけ少なくして、きれいにしておく事は重要であります。買う側はできるだけ安く、きれいなヨットを手に入れたいわけですから。高くて、汚いヨットは欲しく無いですよね。

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