第一話 機敏さ

スポーツ性能の高いヨットはその動きが機敏です。多少キャビンがシンプルではあっても、クルージングするにも十分ではないかと思いますし、それより、セーリングが面白くなる方が嬉しいです。
こういうヨットも、キャビンは木材を多用して落ち着きますし、クルージング艇と比べても遜色はないと思います。ただ、確かに、最近のクルージング艇の広さには勝てないかもしれませんが。でも、ついつい、キャビンはそこまで必要か〜? と、個人的には思わないでもありません。

最近では、ちらほらですが、クルージングもするが、セーリングも楽しみたいという方がおられ、これは嬉しい限りです。それで、先日乗せて頂いたヨットはそんなヨットでした。サイズは36フィート、
これをシングルで乗る。マリーナからの出し入れさえ慣れてしまえば、可能ですね。ただ、36フィートのスポーツヨットですと、メインセールも大きくなります。それで、セールを上げる時は?

コクピットからウィンチで引くにはちょっと重い。そこで、オートパイロットをONにして、マスト横に行き、マストからの出口で引き上げる。この方が楽です。そして、ある程度あげた時点で、マストにカムクリートを設置しておき、それに固定し、後は、コクピットに戻ってたるみを取って、最後のテンション等はウィンチを使う。最初からコクピットのウィンチで上げるよりずっと楽なんだそうです。

このヨットは125%のジブ+メインセールでした。コクピットの横に座って、その位置で、ステアリング操作もできるし、メインシートの操作もその位置でできます。ジブシートは少し手は伸ばすものの
十分手が届く。どうしても、移動をせざるを得ない場合はオートパイロットをON。そんな具合で、舵を持ちながら、操作ができるので、すぐ様の反応を楽しむ事ができます。それに、舵は敏感だし、レスポンスも良いし、愉快であります。

内装が広くて豪華なキャビンというのも良いですが、やっぱり、運動性能が高いヨットはセーリングするには面白い。まあ、全然違います。セーリングしているな〜という感じが良いんであります。
まさしく、スポーツカーを操っている感じと同じなのではないでしょうか。

それに、通常のクルージングぐらいもこなせるし、そういう時は楽に行きたいので、エンジンをかける事も多い。そしてメインセールを上げるのが面倒くさいなら、ジブ1枚でもOK. 回航屋さんなんかは、良くそうします。セールを上げるとエンジンの燃費も良くなります。特に時化の時なんかは、セール無しより、ジブを小さくして、船体中央あたりに来るように、両サイドのシートを引いておく。セール無しより安定します。

あらためて、スポーツヨットの面白さを認識致しました。スポーツヨットと言っても、もちろん、腰の強いヨットが乗りやすくていいですね。特にシングルハンドならば。

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