第六十二話 ジェントルマンズボート

デイセーラーの又の名は”ジェントルマンズボート”と言われています。何故かは知りませんが、何となく解るような気もしないではないです。ひょっとしたら、デイセーラーという言葉が、昔は小さなキャビンの無い様なヨットを指していましたので、それと区別したかったのかもしれませんし、或は、紳士のスポーツとして捉えているのかもしれません。

これまで、いくつものデイセーラーをご紹介してきましたので、もう良いかなと思っていましたが、またまた、もうひとつ、とっても美しいのが出ましたので、写真を掲載します。

       

全長50フィートのデイセーラーです。実は、このヨットはカスタム艇で、木造なんです。
船底形状はもちろんモダンデザイン、マスト、ブームはカーボン製、排水量は4,320kg、バラスト1,980kg バラスト比 45.8% 吃水2.44m、キールはもうレーサーのような形状です。
それで、やっぱり、SADR値は27.7もあります。

レーサーのような性能で、でも、見た目は優雅なスタイル。こんなヨットをカスタム建造した人が居ました。やっぱりアメリカでした。もちろん、このサイズですから、電動/油圧アシストです。ゆったり構えて、それでも速い、美しいヨット、どんなジェントルマンが乗るんでしょうね?

もはや、価値観が全然違ってきています。これまでは大きい事は良いことだという感じでしたが、こうなりますと、サイズは50フィートありますが、ボリュームとしては小さい。新しい価値感が生まれてきていると感じます。でかさを競う事はしていない。そこに価値を見出していない。求めるは、美しさと高いセーリング性能、それを自由自在に操る事ではないでしょうか?

今日の一曲 フレディーハバード I remember Clifford

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