第五十三話 デイセーラー総括

デイセーラーばかり見せられて、飽きて来られたかもしれません。ここまで見てきた通り、たくさんのデイセーラーがデビューしてきています。もう良いよ、と思われるかもしれませんが、ここには出しておりませんが、本当はもっとたくさん他にもあります。ここでは、30フィート前後のみを取り上げてきました。
そして、多くのデイセーラーが、ここ10年ぐらいで、非常に増えてきています。

簡単に分類しておきたいと思います。

1)デイセーラー/ウィークエンダー
 デイセーリングプラス、ウィークエンド程度のクルージングを可能にします

2)デイセーラー/クルーザー
 サイズが大きくなって、超距離クルージングを可能にします。

3)デイセーラー/レーサー
  ワンデザインレースを主体にして、日常はデイセーリングを遊べます。

ざっと見て、この三種類になるかと思います。全てに共通する事は、セーリング重視、シングルハンド、ハイパフォーマンスのヨットという事です。また、クルージングの範囲は、これは単に、サイズから来るキャビンの大きさと考えて良いと思います。船体の硬さ、スタビリティー等々は当然です。

今日、デイセーラーと一言で言いましても、実に数多くあります。全ての共通点は上記した通りですが、どう見ても、デイセーラーとは思えない様なサイズ、60フィートとかもその名前を付けているのがあります。それでも、シングルハンドを可能にしているハイパフォーマンスのヨットだからだと思います。こういうサイズのヨットは、電動ウィンチを駆使して、ステアリングポジションに全てのコントロールを集中させています。

つまり、今日では、デイセーラーというのは、シングルハンド、ハイパフォーマンスを意味し、クルージング能力に関しては、その全長サイズから来るキャビンの大きさに寄るという理解で良いのではないかと思います。

デイセーラーと言いますと、日帰りセーリングに限定されるようなイメージがあるかもしれません。でも、そんな概念はとっくに吹っ飛んで居ます。

それはレースの世界においても同様で、デイセーラーが発展して、デイセーラー/レーサーにまで発展し、クルーザーレーサーを越えて、本格レーサーの性能に迫っています。しかも、ショートハンドでできる。それが、今のデイセーラーの欧米での認識です。

つまり、デイセーラーというコンセプトは、もはや日常セーリングのみに留まってはおらず、クルージングからレース迄をカバーするようになってきました。しかも、クルージングにおいても、レースにおいても、従来の有り様とは違うアプローチの仕方です。

今日の一曲 ジョージベンソン Breezing

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