第二話 パワーボート

基本的には、あまりパワーボートというものが好きではありません。釣りをするならボートでしょうが、釣りに興味は無いし、それにパワーボートは疲れる。高速で走る時、高速であるが故に波に叩きます。そういう時は体が浮いてしまうぐらい跳ねる事もあって疲れる事があります。それにエンジン音は煩いですし、話もできない。だから、あまり好きではありません。

しかし、ひとつだけ取り扱っております。その理由は、上記の理由を考慮されたボートだからです。
船型はディープVによる波に柔らかい事、エンジンは敢えて一基がけで、さらに、防音対策には特に気を使っている事、スピードは20ノットぐらいを巡航とし、敢えて高速にしていない事。一基がけエンジンですが、バウスラスターを標準として、操作はし易い事。そもそものコンセプトはヨットマンの為のボートという事です。

ヨットと言えど、クルージングに行く時、多くの場合がエンジンを使って走る事が多い。暗くなる前には到着したいから。エンジンで走るならある程度は計算できます。しかし、場所によっては、潮待ちしたりという事もあります。ならば、いっそのことボートの方が良いのではないか?そういう疑問もわいてきます。 

このボートは巡航20ノットぐらいですから、ゆったり走ります。ボートでの20ノットというのはゆったり感があります。それでも、ヨットの3倍ぐらいのスピードですから、3倍早く到着できるか、3倍の行動範囲という事になります。という事は、どこかにクルージングに行くなら、こういうボートの方が良いんじゃないかと考えた次第です。

ヨットでクルージングに行くも、日常にはセーリングを楽しむという方にはヨットがお薦めですが、日常にはあまり乗らないとか、ピクニック的クルージングという事であるなら、こういうボートの方が使い勝手は良いのではないか? 1日を遊ぶにしても、行動範囲は広くなりますから。それに、どこに行こうと潮待ちしなくても良い。いざという時は20ノットオーバーです。

  トゥルーノース34










  トゥルーノース38








ヨットでセーリングするなら数時間でも良い。しかし、クルージング的遊びでやる場合は、行動範囲がかなり限られるので、セーリングとは違う遊び方になりますから、より広い行動範囲を取れるのは有難い。忙しい方々が、クルージングを遊ぶ場合、こういうボートなら有りではないかと考えています。実は、このボート、アレリオンを建造するピアソンマリングループのひとつです。アメリカ東海岸らしいデザインですね。ついでながら、ピアソンマリングループは早くからSCRIMP工法での建造を行い、もうひとつのセクションではフィッシングボートを建造しています。老舗の造船所です。SCRINP工法については、近いうちに記述したいと思います。

アレリオンとふたつ持って使い分けられると最高の贅沢ですね。それなら、ヨットはデイセーラーに割り切るのは簡単になります。

こういうボートはあまりありません。ゆったりと言いますと、ボートではトローラーというのがあります。しかし、スピードはヨットより少し速い程度です。10ノットちょっとぐらいでしょうか。それにかなりトップヘビーです。その点、このボートの考え方は、もうちょっと速く、でも、高速には敢えてせずに、
また、いざという時は20ノットオーバー出ますし、トップヘビーでも無いし、キャビンの広さはトローラーには適いませんが、でも、ピクニッククルージングから、長距離までをこなせるボートです。

年齢からヨットを引退される方々がおられ、そういう方々が、こういうボートに移行される事が多いようです。大型ヨットからデイセーラーへ、或いはヨットマンズボートへという具合のようです。それで、セーリングならデイセーラー、クルージングならヨットマンズボートという具合です。

さて、今日の一曲 ウィントン マルサリス Green Chimneys 実に長い演奏で、パート1パート2に別れています。トランペット、むっちゃ上手い人。

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