第十五話 ワンデザイン

日本にもワンデザインのヨットというものがもっと増えれば面白いのにと思います。いろんなモデルが建造されて、市場に出ていきますが、各人が各様のヨットを持つ事も良いのですが、遊びを総合的に考えた時、ワンデザインというのは面白さが広がる部分もあります。

ワンデザインの目的はレースです。レースだからと言って、レーサーである必要は無いわけで、いわゆるハンディキャップ無しのレースができるという面白さです。レーティングでもって、各ヨットの性能を公平にしようという試みは分かりますが、でも、解りにくい部分も多いし、完全に公平にはできません。

クルージング艇であろうが、デイセーラーであろうが、同じヨットで走るならば、走っている最中にも、順位が解ります。ファーストホームが優勝で明確です。大きなヨットが先に行く。それでも、優勝できるかどうか解らない。そういうより、明解な方が良い。

海外では、例えば、クルージング艇でも、あるモデルだけのクラブがあり、そのモデルだけのレースなんかを楽しんでいる。最近の動きを見ても、デイセーラーなんかですと、ワンデザインレースをしようという動きもあります。海外にはたくさんのワンデザインレースが存在します。

すると、ヨットによって差は無いわけですから、買い替えという必要も無い。純粋に腕の差という事になります。運もありますが。それが日本には少ないので、これからは、そういう動きが出てきても良いんじゃないかと思いますね。

アレリオン28なんかですと、アメリカにはいくつかのクラブがあり、各地で時々レースを楽しんでいるようです。そういうイベントも楽しめるのは、セーリングを遊ぶ方々にとって、きっと面白いイベントではないかと思う次第です。

一地域に、2艇でも良いが、できればもうちょっと集まりますと、ワンデザインレースとして遊ぶ事ができます。アメリカのようにたくさんというわけには行かないでしょうが、2,3艇ぐらいあってもおかしくはない。例え、少ない艇数でも、ワンデザインは面白いのではないかな〜? この音頭取りは、我々業者という事になりますね。まずは、クラブを作って、オーナー同士の情報交換の場として、そして、いつかはワンデザインレースなんかに発展していけると、面白くなるのではないかと思うのですが? でも、2,3艇ではクラブの作りようも無いか。クラブは全国区にして、レースは地方分散となりますか。

残念ながら、日本でのアレリオン28は各地バラバラです。まだまだ時間はかかります。でも、いつか、どこかで、そういう事が主催できたら良いな〜と思っています。

レースはしないという人達も多いのですが、お遊びレースですし、そこはおおらかに参加できれば、良いのではないでしょうか?優勝しても何も無いし、ビリで負けても何も無い。たかがお遊びですから。でも、そのたかがが、結構刺激になって、セーリングの面白さを広げる事になるかもしれません。

最近、特に30フィート前後のデイセーラーがヨーロッパから出てきています。それらはいずれもワンデザインレースを念頭に置いたプロモーションを続けています。恐らく、これらのデイセーラーの造船所はみんな小規模ですから、量産艇の造船所のようなモデルチェンジによる買い替え需要を作る事は難しい。ならば、買い替え需要では無くて、仲間を増やす方向に向かっているのかな?

シングルでも乗れるデイセーラー、という事はレースにしても、少人数でOKです。それに、変わらぬデザインとして、今後、古くなったとしても参加できる。それに、ワンデザイン独自のルールなんかも作りやすい。

アレリオン28のクラブがサンフランシスコにありますが、確かメンバーは30艇近くあったと思います。20年前のアレリオンと、最新のアレリオンでも同じように参加できるレース。確か、スピン無しというルールだったと思います。このルールにしたって、時代と共に変える事もできる。クラブに縛られるのは嫌という方でも、別に制約なんか無いわけで、年に何回かのレースに参加して遊ぶ。そういう事ができれば良いな〜と思いますね。

そう言えば、もう何年前になりますか忘れてしまいましたが、ニューヨークヨットクラブが、アレリオン28を一度に10艇発注した事がありました。目的はそれなんでしょうね。日本でも、いつかは、ワンデザインレースを!

さて、今日も一曲 ロッド スチュアート Have I told you lately

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