第九十一話 使用頻度の問題

ヨットはオーナーがどの程度使うかの頻度によって、使用方法が異なってくるようです。例えば、数ヶ月に1回程度しか使わないとしたら、その使い方は多分ゲストを招待してのピクニック的デイセーリングと宴会になる事が多いようです。年にしたら2,3回?こういう場合、セーリングがどうこうとか言う事はありません。

人にも寄るでしょうが、使う頻度が増えるに従って、使い方は宴会中心とピクニックセーリングに行き、頻度が高まるとセーリングに対する気持ちが少しづつ深まっていくのではないかと思います。つまり、使う頻度が少ない場合はヨットは特別なイベントとしての機能を果たしますから、ヨットであるという事実だけでも充分なのです。ところが、1ヶ月に1回かそれ以上使うようになると、ヨットはイベントから日常の身近な物に少しづつ変化してきます。そういう時、ヨットをどう使うかと考えますと、単なるピクニックセーリングでは物足らなくなります。或いは、ゲストが毎回違うなら別ですが。

という事はセーリングゲームをするなら、極端な言い方しますと毎日でも行ける。それだけセーリングは深くなる。深いから毎日行ける。いや、毎日行くから、それだけ深くならざるを得ない。どっちが先かは解りませんが。しょっちゅ使うだけの変化を求め、そして実際に乗れば変化がある。それがセーリングだと思います。

でも、たまに乗る方にとっては、それ程深いところまで行かなくても、充分にイベントとして楽しむ事ができます。結局、使う頻度とセーリングの深さは比例しているわけです。どっちが先かは解りませんが、この際、それは問題ではありません。

平均して2ヶ月に1回程度なら、まあイベント的になるでしょう。1ヶ月に1回程度を境に、回数が増えると宴会ばかりじゃつまらない、ピクニックセーリングばかりじゃつまらないとなるような気がします。もちろん、人に寄りです。もし、ヨットを月に1回以上乗るとするなら、これはもうセーリングするしかない。その場合、デイセーリングするのが最も良いゲームかと思います。逆に、2,3ヶ月に1回程度しか乗れないという方は、もしセーリングをゲームしたい場合、物足りなくなるでしょう。ストレス溜まるかもしれません。こういう方は旅に目が向くのかもしれません。但し、旅とセーリングは異質なものだと思います。

実際、現役ビジネスマンの方は忙しく、なかなかマリーナに来る時間が持てないかもしれません。しかし、それでもヨットを持つならば、どの程度の頻度でヨットを使う事ができるのか、使いたいのかを考えます。月に1回以上使えるか否か?
月に1回以上使う方はのんびりセーリングではそのうち物足りなくなる。セーリングをゲームしたくなると思います。月に1回以下の使用頻度で使う方が、セーリングゲームをし続けるとすると、ストレスが溜まってくるかもしれません。もっと乗りたくなるからです。

基本的にはできるだけたくさん乗って頂きたいと思います。ですから、その回数を多くする為にもデイセーリングと思うわけです。2,3ヶ月に1回程度しか使わない方が楽しんでいないとは言いません。それなりの楽しさはあると思います。しかし、もっと乗って、セーリングしますと、楽しかったヨットが面白くなります。楽しいが面白いに変化すると思います。せっかくのヨットが係留してばかりではもったいないという気持ちもありますが、それ以上に、ヨットの面白さが使う頻度が増して、セーリングをゲームするようになりますと解ってくると思います。。この面白さを是非味わって頂きたいと思います。

そういう意味ではデイセーリング、しかもシングルハンドのデイセーリングができれば、最も可能性は高い。自分次第でどうにでもできます。どんな場合でも臨機応変に対応する事ができます。
ゲストを招待しても良し、経験者が来ても良し、奥さんでも子供でも彼女でも、誰が来てもOKですし、もちろんひとりでもOKなのですから、これ以上の自由はありません。

でも、シングルをやるにはそれ相応の知識と経験も必要です。それをサポートするのがシングルハンドデイセーラーヨットの役目です。

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