第四十三話 意識的セーリング

それでいろいろな使い方がある中で、当社としてはセーリングを中心に、それもデイセーリングを充実させる事に優先順位を置く事にしています。これを誰でも気軽に日常の生活に取り入れていただきたいと思っています。これが気軽に日常でできると、キャビンライフも旅もピクニックも織り交ぜて遊べるようになると思うからです。

それで日常のデイセーリングをいかに面白く演出するかが大事になってきます。デイセーリングと言ってもいろいろあり、奥さんか又は彼女を乗せて、お弁当持って、2,3時間のセーリングをしてくる。或いは、家族を乗せて、仲間を乗せて、のんびり走るセーリングから、強風にスリルを求めて、がんがん走るセーリングまであります。

これもどれが良いわけでは無く、どんなセーリングをしたいかに寄ります。ただ、気軽である事、気持ちが重くならない程度で、しかし、ただぼ〜っと世間話ばかりではつまりませんので、のんびりであってもセーリングは意識しながら、今よりちょっと良いセーリングを目指しながら、楽しんでいく事をお奨めいたします。

気軽になる為に、蜘蛛の巣のようにたくさんの係船ロープがあると面倒ですから、効率良く、この際ですからフルのデッキカバーなんかは面倒かと思います。使って、使って、使いまくって、そのうえでメインテナンスを施して、使い込んだ美しさを演出するぐらいが良いと思います。年に1回遠くを目指すより、近場しか行った事が無くても、何回も出て気軽にいつもセーリングを遊んでいる方が、余程幸せなのではないかと思う次第です。

シングルでデイセーリングを気軽に遊ぶ。時に家族を呼んできても良い、その日のデイセーリングが終わったら、その日は家族でヨットに泊まっても良い。みんなでコクピットで食事です。みんなで食事を造って、みんなで楽しむ。デイセーリングの後ですから充実します。キャビンが狭かったら、
キャンプ気分です。ごろ寝です。それも違った趣があります。それをこの日の為に大きなキャビンにすると大変です。日常のデイセーリングの気軽さが失われるからです。いつもは、特別のイベントで無い時に、どう使うのかが最優先です。後の使い方の不足は、工夫して補う。キャンプ気分だって面白いのです。夜が明けて、早朝、朝の新鮮な一杯のコーヒーをコクピットで迎える。とってもいい気分かと思いますね。でも、これがとっても楽しいからといって、これを中心にしようと考えると無理が出てきます。たまにだから良いのです。

ですから、普段はやっぱりセーリングを楽しみます。ああでも無い、こうでも無いとセーリングを追求していきます。その為にメインテナンスをします。その為に掃除をします。それがまた楽しいのです。無理がある部分は業者にやってもらえば良い。自分が楽しめる範囲でやれば良い。それがだんだんいろんな事が解ってくると、自分で楽しみながらやれるメインテナンスの範囲も広がっていきます。最後には全部何でも自分でやれるようになるかもしれません。そうなったら、外洋にだって行ける準備になりますね。別に行かなくても良いですが。

解れば、解る程、今まではこんなもんかと思っていた事が、もっとこうならないかと疑問に思う事が出てきます。それが面白さに繋がって、ヨットライフの全てにおいて楽しみの増幅作用となっていくと思いますね。是非、楽しんで下さい。楽しむべきなのです。ヨットは遊び道具ですから。

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