第三十四話 心地良い範囲

人は誰でも自分に心地良く感じる範囲というのがあります。その中に居れば、楽ですし、そこそこ楽しさもあります。ですから、この範囲に居る事は安全であり、無難でもあります。ですから、多くの人達がこの範囲内で仕事したり、遊んだりします。それはそれで、悪い事でも無いでしょう。

但し、ヨットという遊びを考える場合、この範囲内に居る心地良さは、決して面白さを創像する事はありません。ただ、楽なだけです。仕事にしても、いつまでもこの範囲内に留まると進歩が無くなり、いずれは通用しなくなります。面白さを体験するのは、向上を意味する事かと思います。それは大きな1歩では無いにしろ、小さな1歩でも、この心地良い範囲から踏み出す事に他ならないと思います。この1歩は、リスクを少し受け入れる事になります。しかし、リスク無しには向上も無いし、面白さも無い。

成長が止まると、そこに留まるどころか、どんどん後退さえしていきす。仕事の世界ではこれこそ大きなリスクになっていきます。成長するリスクを背負わないと、停滞というじわじわと迫る大きなリスクを背負わされる事になります。遊びは停滞しても、楽しくないという結果で済むかもしれませんが、そのままですと重荷になります。自分で気がつかないぐらい、じわじわと、静かに迫ってきます。ですから、心地良い範囲は将来変化し、心地良さが失われて行きます。

ですから、できるだけ心地良く過ごしたい場合は、少しこの範囲を超える事を心がける必要があります。万物は常に変化すると言われますから、自分だけが同じ場所に留まる事は、回りが変化して、心地良さは過去のものになりますから、常に自分も変化をしていく必要があります。

悲しいかな、人は今の心地良さに留まる事ができないという事になります。ならば、自分から、その変化を創像していく方が面白さが増すと思います。どうせ遊びですから、それができます。人生をそこにかけているわけでもありません。ですから自由に、したい事ができる。これが遊びの所以だと思います。

実際は、そんなにたいそうな事ではありません。何度も言ってますプチ冒険です。これがあるから面白いという事になります。いくら宴会が好きでも、そこにいつまでも居たら、それさえも面白く無くなる。これはリスクでもあります。という事は宴会でさえも、工夫を凝らす必要があります。工夫する事が面白い事にもなります。残念ながら人間はそういう風にできてると思います。成長する、進化する動物です。人間だけが他の動物とは違って、創像する事ができます。そういう性なのですから仕方ありません。でも、それが面白いのですから、悪い事ではありませんね。

是非、トライしてください。面白そうだと思う事にトライしてみてください。どうせ遊びですから、失敗しても、どうせ遊びですから気楽に、でも安全に、面白さを追求していただきたいと思います。

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