第86話 FRPという素材

海外の中古艇市場を見ていますと1950年代までは木造艇、1960年代に入って
FRPが搭乗してきているようです。中古市場で販売されています。当時はFRPの強度
が良く解らなかった。だから木造と同じなら良かろうという事で、結果的に非常に頑丈
にできてしまった。重いですが。

FRPという素材は腐らないし、一体いつまで持つのでしょうかね。日本でも30年物とか
ぼちぼち出てきていますが、全く問題無い。内部のたてつけの狂いも無い。あと何十年
持つのか解りません。これは造船所の失敗だな。という冗談まじりの話も出ました。長
持ちし過ぎる。

車なら20年も持つ人は殆ど居ないし、クラシックカーと呼ばれるようにもなってくる。車
はそんなに持たない。だから買い換え需要も大きいです。ところが、ヨットとなると20年
なんか珍しくも無い。長持ちし過ぎ、買い換え需要にもこの影響はあるんじゃないでしょう
か。20年ぐらいが限界だったら、造船所はもっと良かったかも?買い換え需要が大きくな
り、数も売れれば安くもなり、我々も儲かったかも?

ところがFRPはどうもならない。100年ぐらいゆっくりもつんじゃないですか。他の業界でも
長期間持つものは一杯ある、だけどそういう物は造らないという話を聞いた事があります。
持ちすぎると儲からないという事だそうです。これは造船所の大失敗かもしれません。

それでも海外では繁栄していますね。新規に始める方が多いのでしょう。日本にもまだまだ
これから始める人は多くなる余地は充分、まだまだ始まったばかりという段階でしょうから、
不況、不況と言いますが、まだまだこれからです。


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