第40話 メインテナンス

ヨットにメインテナンスが必要である事は誰でも知っていることです。が、しかし、なかなか実行
されていない事が多いようです。オーナー自らできる事にも限度がありますが、日常の簡単な
事から実行していただきたいと思います。これをするかしないかでは、先々の状態に雲泥の差
がつきます。

まず基本は、動くものは動かしてやるという事です。艤装品、モーター類、エンジン、バルブ、等々
動く事でその役目を果たす物は時々でも動かしてやるという事です。長い間、動かないでそのまま
にしておくと、ゴミが溜まり、塩がかみ、電触等で固着し、久々に動かそうとした時にトラブルを誘発
します。ですから、基本は動くべき物は動かしてやるという事です。簡単なことです。エンジンなどは
同時に、オイル漏れや錆びなどが出ていないかをチェック、その為にはいつもきれいにしておかなけ
ればなりませんね。床の下やクッションの下などにある物は忘れがちで、いざという時に使い物に
ならなかったなんて事がないようにします。これだけでも随分違います。時間もかからない。そして
もうひとつのメリットは、どこに何があるかが常に頭に入っているという事です。

エンジンはクリーニングと定期的なオイルとフィルターの交換でしょう。これで調子はグンとあがります。

もうひとつ大事な事ですが、船内への水の浸入です。水が清水なら、雨か清水タンクの水ですから、
まあ、漏れてもたいした事は無い、でも海水なら無尽蔵にあるわけですから、最悪沈むという事もある。
これには要注意です。でも、海水の浸入は限定されます。最も考えられるのはプロペラシャフトが船底
を貫通していますので、そこ(スタンチューブと言います)の調整が緩いという事になります。これは以外
と無頓着な方が多いのは驚きです。実際、久々に来たら、船内の床上浸水というのもありました。
常に、ビルジを確認すること。来てすぐに確認、そして帰りに確認。これを習慣にする事で未然に、簡単
に防げる事なのです。

私が帰りに気をつけている事はバッテリーをOFFにする事とビルジの量の確認です。これだけは絶対
実行します。あとは緊急を要する事はありません。それ程神経質になる必要はありません。とにかく、
初心者の方でもこれだけは注意して下さい。

ついでにビルジポンプの電動タイプで、ビルジが溜まったら自動的に排水するものがあります。このおか
げで、海水が漏れても気がつかないという事もあるかもしれません。時にはスタンチューブ自体をチェック
して水漏れが無いか、確認した方が良い。スタンチューブを締める場合は締め過ぎない事。手でプロペラ
シャフトを回して、回ればOKです。かなりきついようだと締め過ぎです。最近多くなってきた物にPSSという
スタンチューブがあります。これだと水漏れ無しがうたい文句で、調整も不要。これは良いです。また、
電動のオートビルジポンプも考えようで、ゴミなどが詰まって、排水後自動的にOFFにならずに回りっぱなし
というケースもないでは無い。この場合バッテリーが上がってしまう。考えようですが、バッテリーぐらいで
済むという事も言えますが。


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