第28話 クラシックヨット 2

ついでにもう1話同じテーマで取り上げてみました。クラシックとは言っても、完全な木造艇はやはり大変な
メインテナンスが必要ですし、時間もお金もかかる。一般的にはここまではお奨めしかねます。でも、最近は
クラシックデザインのFRP船体のヨットが少しづつ出てきています。これなら素人でも何とかなります。

デッキ上の木部はニスを刷毛で何回も塗り、厚みをつけます。そですね、最低でも7〜8回は塗りたいですね。
アメリカ東部の有名なヒンクリーやアルデンよっとなどは16回ニス塗りを重ねるそうです。そうすると持ちも長く
なり、あとはニスが割れてくる前に、年に1回ぐらい表面をペーパーで磨き、ニスを軽く塗るだけで済みます。
チーク材は油分を含んでいるので、腐らないのですが、ニスがのりにくいのです。ですから割れて全てはがさ
なければならなくなる前に、再塗装をしておけばそう大変では無い。オフシーズンにすこしづつやるのも楽しみ
なものです。

クラシックデザインは現代のヨットに比べますと幅が狭いんですね。そうするとキャビンが狭いという事になります。
現代の幅の広いヨットはレーシングヨットの影響ではないでしょうか。幅を広くして船底をフラットにする。船体重量
はできるだけ軽く建造、これがレース界で流行し、クルージングヨットの造船所もキャビンが広くなり、客を魅了する
のに都合が良かった。でも、レーシングヨットは乗り心地など二の次なんです。速いのが命です。クルージングヨット
でも速いにこした事は無いのですが、レーサーとは違います。幅が狭く、船底(キールを除く)が深い方が時化た
時にはソフトで良い。

ある造船所のデザイナーがこんな事を言っていました。船を購入するのは男では無い、奥さんだ。だから奥さんが
気に入るヨットデザインが必要なのだ。奥さんに決定権があるという事です。奥さんは通常あまりヨットの事は解ら
ない、だからキャビンの広さやギャレーや内装の雰囲気で決める事が多いそうです。なんだかんだ言っても、造船所
も売ってなんぼですから。でも、結局その奥さん、ヨットに来る事はまれなのです。

ヨットぐらい男の我侭を通しましょうよ!!

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