第115話  こんなスタイルはいかが?
風が無いから乗らない。風が吹くから乗らない。一体いつ乗るの?程よい風と休日が
重なった時。こんな日は年に何回あるんでしょうか。ここのところ、吹いてます。白波も
立って、出てるのはディンギーぐらい。風は吹いて12,3mぐらいでしょうか。年間を通
してだいたい吹く方が多いようです。

ヨットには風向風速計、スピード計を付けたらいかがでしょ。今日の風がどのくらい吹いて
いるか、それに対して、どの角度でどのぐらいの艇速が出ているか。明確に解ります。
風速5〜6mでセーリングして、体感し、7〜8mではこう、9〜10mではこうだった。体感
しながら、徐々にキャパシティーを上げていく。自分の慣れと技能も上がる。そして、どんどん
キャパシティーを上げていけば、今日は吹いてる、それじゃ出そうという事にもなってくる。
吹いた方が良く走る。走れば面白い。乗れる日はどんどん増えてきます。そして、風が無い
日は乗らない。メインテナンスでもしようか。と、こうなる。

テニスをする人。山なりのボールをゆっくり打ち合う事から始まって、うまくなって、ボールスピ
ードも速くなる。自分の動きもスムースになる。だから面白い。これと同じです。マリーナから
1時間圏内で良い。風が強くてきつくなてきたら、1時間がまんすれば帰れる。でも、こういう事
を少しづつ続けてきたら、どうなると思います。体が馴染みますね。体が記憶しています。前と
何か違うな、と思う事がある。あんのじょう船底が少し汚れてたり。誰でもそういう事が感じられ
るようになります。本当です。

家族を乗せたい気持ちは良く解る。でも、その為に大きなサイズとか、そういう考え方は持たない
方が良い。家族をコクピットに座らせて、セーリングをすれば良いじゃないですか。子供にティラー
を持たせてあげればきっと喜びます。穏やかな天候にさわやかなセーリング、こんなんで喜ぶのは
最初だけですよ。世の中にはこんなんより面白いものがたくさんある。それよりセーリングそのもの
の面白さを味合わせてあげましょうよ。それにはお父さんがヨットを良く知っていなければなりません。
その為にはお父さんがヨットと一体になっている事です。

25フィートから30フィート以下ぐらいのヨットで、重心が低く腰の強いヨットをお奨めしています。無理
して大きいヨットはお奨めできません。最初はこれぐらいのヨットを乗りこなして下さい。少々吹いても
今日は走るぞという気持ちが持てるぐらい。無理はいけませんが、少しづつキャパシティーを広げる
努力をしながら。ヨットは時間じゃありません。何回乗ったかです。外国では何マイル走ったかという
距離で表すようです。オーナーである期間と腕は何の関係も無い。これからヨットを始めようとする方々
自信を持って始めてください。そしてできるだけ回数、遠くへ行く必要ありません、回数乗ることです。
いろんな状況で乗る体験を積んでください。そうしたら、ヨットは自分のものになります。そうしたら、
あとは思うまま、自由自在になります。

これを実践したご年配の方を知ってます。2年目に日本一周をシングルでされました。こんなもんです。
やる気になるかどうかです。それで、この方は苦しんで練習をしたのか? とんでもない。楽しかったん
です。誰よりも最も楽しんだ。何故か? この方は楽しもうと思ったからです。もちろん、彼がセーリング
の達人になったわけではないんです。ただ、ヨットを自分のものにした。本当に自分のものにした。その後
この方は大きなサイズに買い換えて、ロングクルージングからショートまでシングルでも家族乗せてでも
どこにでも自由自在に出かけてます。

まずは自分が楽しみながら、うまくなろう、ヨットを自分のものにしようと思う事です。1年で難しければ2年
でも良い。必ず充実したヨットライフが見えてきます。その為にはまず小型ヨットが良いです。まあ、だまされた
と思って、やってみませんか? さわやかなピクニックヨットとは一味も二味も深いセーリングがあなたのもの
になります。これはお金では買えない。そしたら、家族を乗せても余裕です。風が強くなってきても余裕です。
ピクニックセーリングでもスポーツセーリングでも余裕です。これって面白いと思いません?


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