第六話 ヨットの価値

前話で欧米の市場の大きさの事を書きましたが、これは欧米にたくさんの超大金持ち
が居るからだと言う人も居ますが、それだけでは無いと思います。結局は、ヨットに対
する考え方の違い、ヨットに対する価値観の違いだと思います。ヨット遊びをどう考える
か、遊びに対する価値観も含めて、この辺にある価値観で決まってくるような気がしま
す。

日本でも、ボート市場では数千万はざらですし、億を超えるのも結構あります。でも、ヨ
ットとなりますと少ない。まだまだヨット遊びが定着していない証拠でしょう。本当はボート
よりヨットの方がはるかに面白いと思うのですが、まあ、だいたい釣りでもしない限り
ボートはだんだん退屈になってくる。する事無いんです。でも、考えてみればどこかに行く
ならボートの方が手っ取り早いですね。そのせいですかね。みんな遠くに行きたい、船旅
をしたい。それならボートという事なんでしょうか。

もっと、もっとヨットならではの魅力について、多くの方々に知ってもらわなければなりま
せん。本当はヨットの方がどんなにか面白いか、今や、ヨットの数が減り、ボートが増え
ています。市場の割合から言いますと、ヨットは5%程度です。何故ヨットが少ないか、
恐らく、ヨットの魅力について知らないからですね。値段はボートよりヨットの方がはるかに
安いんですから価格の問題ではありません。

かつて、忙しい人こそヨットの方が楽しめると書きました。忙しい人はボートとなりがちです
が、忙しいから遠くへ行けない。行動範囲も決まってくる。ならば、同じ場所ばかりでは飽き
てきますので、行く所がなくなります。でも、ヨットはこの点、セーリングを楽しめば、遠くに
行く必要も無い。という事は短時間で楽しめるヨットは忙しい人には最適なのです。同じ場所
でも飽きないし、たった2,3時間で天国を味わう事もある。

今は多くのヨットマン達も遠くへ行く船旅を主眼においておられる方々が多いです。まあ、そ
れならボートの方が手っ取り早いと思う事も解ります。ですから、ヨットの方々にも、セーリン
グ自体を見直して頂きたいと思います。今のヨットマンの方々がセーリングを堪能してこそ
それが波及し、ボートマンの方々もヨットに移行してくる。そして市場が拡大していきますと
いろんなヨットが日本にも見られるようになります。移動手段にしている限り、ボートの方に
軍配が上がってしまう。ですから、ヨットの価値はセーリングに在りと言いたいですね。

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