第九十八話 ファミリーヨット

セーリングだ、スポーツだ、シングルだと叫んできました。それはそれで正解だと
思っています。ただ、最近少し考え直しているのがファミリーです。家族はヨットに
来ないと決め付けていましたが、これはちょっと考えなおそう、決め付けはよそう
と思います。

子供が大きくなると、そりゃあ親と一緒というより友達と遊んでいた方が面白い。
でも小学生か中学生ぐらいまでなら、まだ親についてくる。それで自分がヨットに
乗る度にいつも、というわけには行かないかもしれませんが、年に数回であっても
子供と一緒に何かをする、家族で一緒に何かをするというのもおおいに有意義な
事かと思います。実際、子供をヨットに乗せますと、かなりその気になります。子供
がです。ここで、お父さんは再び威厳を取り戻す事ができますね。

子供さんが中学生以下なら、ファミリーヨットというのも有りでしょう。もちろん、子供
に舵を握らせて、お父さんはセール係です。男の子でも女の子でも結構面白がる
もんです。お母さんも一緒に来るなら家庭円満です。これだって、デイセーリングが
合います。ピクニック気分です。週末なら、家族でたまにはヨットに泊まって頂きたい
ヨットの中で家族みんなで食事を作って、みんなで食べる。テレビの無い世界、外
は星空の世界、桟橋でちょっと釣りなんかさせても良い。こういうのが、たまにでも
良いじゃないですか、今、この時しか家族でこういう過ごし方ができる時は無いので
すから。子供が大きくなったら、もう別の世界に行ってしまうかもしれません。

それで子供が来なくなったら、奥さんと二人でデイセーリングです。これも良しとしまし
ょう。さらに奥さんが来なくなったら、シングルでスポーツセーリングをしましょう。
さらに歳とってきたら、ちょっと小さめのシングルハンドデイセーラーで、気軽に現役
ヨットマンとして遊びましょう。この頃にはもはやキャビンはあまり必要としないでしょう。

40代、50代、60代、そして70代とそれぞれの年齢にはそれぞれの事情があります。
それに合わせてヨットの遍歴も変化してきます。その時でできる事を精一杯楽しむ。
家族と、夫婦で、シングルで、或いはもう一度家族や夫婦のセーリングが戻ってくるかも
しれませんね。何もどれかに限定する事も無かったと思います。

さて、そこで、ファミリークルージングとして、デルフィアヨットを取り扱う事にしました。前
にも紹介しましたが、ちょっと異なる事情が出てきましたので、次のページでその辺の事
情もお話したいと存じます。

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