第四十二話 雑談

昨日はたまたまマリーナで会った人達で雑談していたのですが、その時の話題は
中古艇が不足している事と、とにかく稼働率の低さでした。
どう?中古は、ある?ないね。これからは新艇売っていかないと、このままじゃ中古は
古くなるばっかりだし、新艇入れないと中古もでんからね。まあ、多少、景気も良くなり
つつあるし、でも、ボートはまだ良いでしょう。ヨットよりは良いかもね。でも、やっぱり、
中古、良い中古は無いね。ボートは6000万もする新艇入れたんでしょう?良いね。
ボートのお客さんは高額でも出す人多いよね。ヨットで6000万とかいうと、すごいの来ま
すよ。金額の意識というか、平均的な金額が高いもんね、ボートは、だからオーナーも
そういう価格帯という意識がある。ヨットは平均単価が少ないから、みんな6000万とか
言うと、とんでもない金額になる。

ボートは釣りする人多いから、稼働率は高いよね。ボートが目的というより、釣りをする為
の手段に過ぎないからね。ヨットの場合は目的は何?とか言われると、まだ漠然として
いるから、何がとても好きで、その為に乗るというのが無いね。それじゃ、その目的をきち
んと具体化する必要があるでしょう。そうしたら、みんなもっと乗れるんじゃない?そうそう、
目的が必要かもね。ボートでもサロンクルーザーとかなると、どこどこ行って、そこで飯食っ
て来るとかになるけど、そうしょっちゅう同じ所に行きたいとは思わないよね。でも、行ける
範囲は決まってくる。そういう場合、最初の1,2年ぐらいは走ってるだけでも楽しいかっも
しれないけど、そのうち飽きてくる。飯食いにいくのも飽きてくる。でも、ほんのたまに走る
とやはり気持ちが良いので、手放すでも無く、結局、年に何回のるかね。

ヨットも同じでしょう。レーサーは勝つという明確な目的はある。でも、それでも、まずはクルー
が集まらないと乗れないし、集まっても、競争する他ののヨットが必要だし、それにレースを
主催する所も必要になる。自分の思った時に、いつでもどこでもレースするというわけには
いかによね。クルージングだって、どこかに飯食いに行くたって、ボートより時間かかるし、そ
れならぐっと近場じゃないと行けないね。それに漫然とクルージングするのは、ボートのただ
走るというのと似てるんじゃないかな。ちょっとなら良いが、すぐに飽きてくる。かといって、
レースに参加する気も無い。レースに出たって、勝てないよ。勝つのはいつも決まってる。
初めてレースに出る時は良いよ。でも、2回、3回と出ると、そこそこ競えないと面白く無い。
レーサーの連中だって、いつも決まってれば面白く無いんじゃない。アメリカなんかはワンデ
ザインレースが流行ってて、レーティング関係無く、到着順で分りやすいけど、レーティング
で行く場合、修正あるから、どうももうひとつね。日本じゃ同じ艇が少ないから、難しいね。
せいぜいJ24ぐらいでしょ。でも、まあ、それでもレースというチャンスはあるよね。

問題はクルージングよ。殆どはクルージング艇なんだから。彼らが動かないといけないし、
彼らがたのしまなくちゃいけない。でも、どうやって楽しむか。これまでのやり方じゃ、エキサイ
ティングでも何でも無いし、いまひとつ面白く無い。そうそう、だからね、スポーツクルージング
が必要なのよ。昔はね、キャビン広いでしょう、冷蔵庫も標準ですよって売ってたんだけど、
あれがいけないね。業者の罪も大きい。だって、使って無いもん。泊まる人少ないし、キャビン
で過ごしてる人少ないですよ。雑誌なんか見てて、きれいな海でアンカー打って遊んでる写真
あるでしょ。あれは日本人には無理なんですよ。国民性ですね。ビール1本もって、彼らは
何時間でもおしゃべりできる連中ですよ。日本人向きでは無い。それで、今までの漫然とした
クルージングにスポーツ性を加えて、スポーツクルージングとして、セーリングを楽しむのが絶対
お奨めなんですがね。みんなある程度乗れるようになると、それ以上勉強して、もっとセーリング
に集中しようという人居ないでしょう。それじゃ面白く無い。それをもっとセーリングに集中して、
セーリングをもっと楽しむ方向にもっていかないと。欧米人はそこまでしなくても、楽しめる人種だ
と思うけど、日本人には向かないと思うな。

でも、セーリングだけで楽しいですかね?実感として沸かないんですがね。そりゃ乗ってみないと
わかんないよね。乗ったひとだけしかわからん。それを言葉では説明できない。昔、ある時期、
どこかに行くという事も無く、ただひたすらセーリングだけやってた事があって、1日に3時間前後、
弁当もって出る、午前と午後2回出る事もある。そうやって、セーリング、レースでも無く、ただ、
スムースに走る事だけ目指して走ってたんですけど、時々、すごい走り、滑らかな走りを体験して
それが身につくというか、同じヨットにいつも何度も乗ってるんで、感覚が感じを覚えてきて、ほんの
わずかな違いでも、すぐに感じられるようになってくる。そうすると、こっちのスムースな動きと、ヨット
のスムースな動きがマッチして、そりゃ、言葉じゃ言えないけど、最高の気分で走れる事があるで
すよ。それ以来、遠くに行きたいとか、どこかに飯食いに行きたいとか思わなくなったね。それも、
ここまでに行きつくにも、時間はかからない。誰でも、すぐに、セーリングに集中して乗りつづければ
すぐにそうなる。だから、こういう感覚を何とかして、伝えてあげないといけないんだけど、これが難
しい。言葉じゃ伝わらんからね。目の前にこういうのがあるんですがね、どうしたもんか。なるほど.
乗った人じゃないとわからんね。

センターコクピットのヨットがあって、キャビンが広いのよ。こういうのが良いね。また、そんな事言う。
キャビンなんか広くなくて良いんだから。どうせ泊まったりしないでしょ。

仕事現役なら、遠くへは行けないし、そういう事は引退してからしかできない。だから、今できる事を
考えるべきだし、それなら、セーリングを楽しむのが最も良いと思うね。まあ、頑張ってよ.はい、頑張
りますよ。何とか、伝える方法考えます。

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