第九十六話 Q7ロマン

   
   

1904年に導入されたユニバーサル・ルール(Universal Rule of Measurement)によって、Qクラスが誕生しました。これは最初に制定されたクラスであり、その後 Jクラス、Mクラス、Rクラス などが続きました。 1904年から1937年までの間に、少なくとも 16隻 のQクラス艇が建造されています。その7番目のQ7は1926年に建造され、現在はカリフォルニアのサンディエゴに健在だそうです。

そのQ7のオーナーはこのヨットの歴史と遺産を称え、100周年を祝う為に新たなQ7の建造プロジェクトを立ち上げ、オリジナルの図面から今日入手できる世界で最高のシステム、素材、技術を持って現代の使用に適するヨットの建造する事になります。デザイナはダイクストラネイバルアーキテクト、建造はスピリットヨット社を指名し、そして2026年、丁度100年目の今年に完成、第一号を進水させたものです。スピリットヨットと言えば007のジェームズボンドが乗っていたヨットとして日本でも有名になりました。あの時のヨットはスピリット54だったかな。

上記のビデオは第一号艇の取材シーンですが、海外にはこういうプロジェクトを実施する超ミリオネア―が居ます。このヨット400万ドルぐらいするそうですが、恐らく海外にはこれに続く購入者が居るんでしょう。最新の技術とか現代への適応とか言いましてもキャビンなんかを見ると広いわけじゃないし多くの便利装備が並んでいるわけでも無い、しかし現代に全然媚びていない潔さと言いますか独自性はあっぱれとしか言いようがありません。このヨットのキャビンはウィスキーを楽しむジェントルマンという想定がある様です。私から見ますと現代のデイセーラーに近いものがある。

これはまさしく男のロマン、それ無くしてこんなプロジェクトなんかできるはずも無い。こんなプロジェクトによって新しい技術や素材、アイデア等々がヨット界全体にもたらされていくのかもしれません。ビデオの取材者は何度も繰り返していますが”見事”としか言いようが無いですね。

欧米のヨット文化の広がり、深さを感じます。こんな素晴らしいヨットができるのもこれ以外の様々なヨットが普及しているお陰でもあると思います。それには長い、長い年月が必要です。ヨット界も浮き沈みを何度も繰り返しながら続く人達が繋ぎながら歴史をつくっていく事によってより深さを増していくものと思います。こんなのはお金だけの問題では無いと思います。あるのは”ロマン”。男達は何とも知れない情熱によって突き動かされていく。素晴らしい生き物なのかただの馬鹿なのか?どちらであっても楽しいですね。


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