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進化と言ってもいろいろあってスピードがより速いという方向への進化があり、荒天にも安定性をより高く保つ進化もあり、また居住性が高くなるという進化もあります。また、これら以外にも多くの進化がありますが、これらは互いに矛盾する要素でもあると思います。速いスピードを得るには軽く造るとか安定性をより高くするには重くなるとか居住性を高めても重くなります。
これら矛盾は妥協によって何処かに収束されていきますが、それをより高いレベルの処に持って行くのが進化で、それにはハイテク素材も使うだろうし構造や工法を変えるという方法もあると思います。ですが如何にハイレベルであろうとも妥協はある。要は進化はその妥協ポイントを如何に上げていくかではないかと思います。そしてその妥協ポイントが高くなればなるほど量産は難しくなり価格も高くなります。
それで今度は自分自身の妥協ポイントをどこに置くかという事になるかもしれません。速い方が良いけれどもレーサーレベル程を求めるわけじゃない。頑丈に越したことは無いが何も世界を回ろうという話じゃ無い。居住性だってそこそこあれば十分とかそれぞれによって感じ方、考え方は異なります。
そこで量産艇は最も需要があるであろう妥協ポイントを探してそこに集中します。それが沿岸艇で居住性は高く、速いわけじゃないがまあまあ、量産も効くから価格も安い。だからたくさん売れるから量産という事にもなります。
ところがある一方では長い経験からこだわりを持つ方々もあり、各要素をもっと高いレベルで味わいたいという事もあります。そうなります量産というわけには行かず価格も上がりますがそれでも尚求める。速いヨットで居住性も高く頑丈なヨットの各レベルを上げていきます。どのレベルなら妥協できるかは各人次第です。さらにこだわるならカスタム建造という選択もありますね。
世界ではすでに多くの造船所がありそれぞれの特徴をアピールしています。という事は自分にとってより良いヨットを考えるとしたら、ヨットがどうこうの前に自分の妥協ポイントを知る事が大切なのかもしれません。例えばですが、個人的な妥協ポイントではありますが、速いセーリング、滑らかなセーリング感、シングルでも手軽に操船できる事。これらに対し居住性はあまり重視しないとか装備とかもシンプルで良い。そういう妥協ポイントを個人的には持っています。ただし絶対譲れないのは美しいデザインです。それが気に入らなければ気持ちが下がる。妥協は何は譲れないが何は少しは譲る。また、何はどうでも良いとか、自分なりの妥協ポイントが解ればそれに見合うヨットがある。もうひとつ重要なポイントがありますが、それは価格ですね。そういう自分なりの妥協ポイントについて考えてみてはどうでしょう?
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