第五十二話 デイセーリングはヨット遊びの王道


      

デイセーラー及びデイセーリングをお勧めして20数年、ここで再び、デイセーリングをあらためてお勧めしたいと思います。写真はデイセーリングを最も得意とするデイセーラーですが、デイセーリングを楽しむに、何も、デイセーラー必須というわけではありません。クルージング艇でも、パフォーマンスクルーザーでも、デイセーリングを日常的に楽しんで頂きたい。何故なら、誰もが、最も気軽に楽しめる乗り方ですから。

デイセーリングは、その日の一日で完結します。日帰りですから、どこかに行って船中泊という前提はありません。ですから、セールさえあるなら、誰でもできる事、さらに、目の前の海域でできる事であり、これ以上に気軽にできる事は、他には無いと思います。

しかも、気軽なだけではありません。デイセーリングには、本気セーリングもあるし、ピクニックセーリングもあるし、また、多くのレースがデイセーリングで行われる。これに入っていないのは、泊まりを含めた旅やロングのレースぐらいです。多くの動かないヨットを見ますと、遠くを目指さなくても、そんなのは仕事やってたらそうは行けません。ですから、多くの動かないヨットにデイセーリングを楽しんでみてはとお勧めしたくなります。

デイセーリングも馬鹿にしたものでは無く、集中して、本気でセーリングをやってみますと、これがかなり奥が深い。大胆にも、繊細にもあります。また、家族や友人を誘って、楽しくピクニックするのも良いし、興味がある方は、レースに参加してみるのも良い。みんな近場で、気軽に楽しめるスタイルです。これさえもしないのなら、いつ乗るんだろう? なんて思ってしまいます。これ程気軽に楽しめるものは無い。しかも、その気になりさえすれば、セーリングの何たるかを探求する事もできます。丸一日を費やしても良いし、2〜3時間でも十分楽しめます。

動かないヨットが多くなったのは、近場を軽視しているからではなかろうか? もしそうなら、考え方を変えて頂きたい。見慣れた風景で、特段の変化も無い。では、視点を変えて、セーリングそのものを見ます。場所なんか関係ない。風と波とヨットと自分自身を見ます。真剣にセーリングを考えて、集中して、感覚を研ぎ澄ます。そうすると、セーリングが見えてくる。奥の深さも見えてくる。常に変化し続けるセーリングは、その気になりさえすれば飽きる事は無いと思います。

或いは、ピクニックを楽しむ。ひとりで静かに走るのも良いし、ゲストを迎えて、みんなで海とセーリングを楽しむも良し、ワイワイガヤガヤ、みんなで走らせるのも楽しいと思います。一息入れて、弁当食べたり、おしゃべりしたり、そして、また、みんなで走らせる。ゆったりした気分です。時に、良い風が来て、快走する事もあります。

目の前の海域で、やろうと思えば、いろいろ楽しむ事ができます。目の前ですから気軽ですし、準備は殆ど要らないし、シングルハンドができるなら、いつでもフラ〜と出かけて、リフレッシュができる。それを思えば、この気軽さからして、時間が許す限り、頻繁に楽しむ事ができます。そして、頻繁に乗ると、身体が、そのフィーリングを取り込み、馴染んでくる。ヨットさえきちんと整備しておけば、良い状態のセーリングが自然に感じ取られ、身に付きます。すると、わずかな事でも、感じ取れるようになります。だからこそ、もっと面白くなる。

デイセーリングは当たり前のセーリング。誰もが、気軽にできるヨット遊びの王道です。にも拘わらず、それを楽しむ人達は少ない様に思います。遠くに行かなくても、目の前に海があるんです。それを遊ばない手は無い。


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