第二十四話 リモート


      

このコロナ禍において、アメリカでは海に逃れる方々が増えているとか。蜜を避けて、携帯電話とパソコンさえあればできる仕事もあります。このコロナ騒動は、それを助長しただろうし、それを社会的にも、自分の気持ちの上でも善とした。まあ、アメリカは個人主義の強い、合理的な考え方をしますから、社会的な認可を得る事も無いのでしょうが、でも、そういう方々が増えてきたのは事実の様です。

日本でも、リモートワークが言われ、在宅勤務される方も増えてきた。実際にやってみると、意外に支障がなかったりもします。電話とメールと、ネット会議なんかもあります。これで支障が無いなら、今までは何だったのか? ここには、日本的価値観もあると思います。

ある日本人、アメリカで保険会社に勤務、それで、ある方に近くに来たので、挨拶がてら寄りました。これが日本的ですね。 すると、相手から言われた事は、用事も無いのに、来る必要は無い。必要な時に来てくれ、との事。 合理的ですね。 そんなアメリカ人の合理性から言えば、このコロナ禍でヨットやボートに逃れるのは合理的です。

その合理性が、日本人にも生まれてきた。 わざわざ会社に来る必要は無い。 仕事は自宅でも、どこに居ても可能である事が証明されてきましたし、コロナ禍において、それが社会的に許容されてきました。もちろん、全ての仕事がそうであるわけではありませんが。 でも、これによって、今後、東京一極集中が解消されていくのか? 多分、可能性はあります。 コロナ解消後においても、その影響は残っていくのではないかと思います。

自宅勤務から、ヨットに逃れるアメリカ人、彼らの合理性から考えたら躊躇は無いのかもしれません。でも、日本人にはもうひとつ乗り越える壁がある。 ヨットからのリモート、自宅に居るならまだしも、ヨットからのリモートは気持ち的なハードルを越える必要があるかもしれない。でも、これも、自宅リモートに慣れてしまえば、自然と発生していくのかもしれません。

そうなると、東京や近郊にヨットを置いておく必要性は薄くなります。地方にヨットを置いて、地方からリモートワークも問題無い。そうなると、人生の幅が広がりますね。年間の半分ぐらい、地方から仕事する事も可能になります。地方だと、保管料も安いし、今時は交通費を含めたって、まだ安い。メインテナンス費用を含めてもまだ安い。そのうえで、ヨットを楽しみ、仕事もできる。日本も、そういう時代がやってくる?

現場に行く必要があるなら、新幹線や飛行機を使ってすぐに行けます。 という事は、今後、日本中の交通網、高速や新幹線、飛行機、等々 を発達させて、日本のどこからでも、どこへでも行ける状況を作り、リモートワークできる人はそうする。となると、東京一極集中は緩和されていく。と同時に、地方再生を助長する事にもなります。 東京と地方を、必要な時だけ行ったり来たり、その他は在宅でも、在ヨットでも構わない。そんな価値観に変わっていくのか? 少なくとも、合理的ではあります。 後は、社会的な認知次第かな? この際だから、地方に移住するか? これが本当の働き方改革?


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