第六十五話 トルコ生まれのデイセーラー


      

SENSEI 9M と言う名前は日本語の先生から取ったとか。このヨットはトルコ生まれ、トルコは親日国だからでしょうかね。デザインはイタリアのフェルチで、やっぱりそんなお洒落なイタリアンの感じもします。フランスヨットもお洒落ですが、具体的にどことは言えませんが、ちょっと違うかな?

デイセーラーとは気軽なセーリングを可能にします。ひとりでも、友人とでも、いつでも、短時間でも。そこが人気の要因のひとつです。世界はいつでも忙しい。その合間に、気分をがらりと変えてリフレッシュ。ハイパフォーマンスだからって、レースしなければならないわけじゃない。そのスピードを気軽に楽しむのがデイセーラーです。

デイセーラーに多くを求めてはいけません。アコモデーションはミニマムで良い、むしろその方が良い。余計な物は一切要らない、と言うぐらいの気持ちで、その代わり、セーリングは最高です。美しいデイセーラーを美しく走らせて、最高のセールフィーリングを味わう。それがデイセーラーの基本的な遊び方だろうと思います。

日本では、たくさんの装備があるクルージング艇の方が人気ですが、使い方に寄ってはその方が良いんでしょうが、その逆も欧米では人気が高い。シンプルにセーリングを楽しむ、余計な物を排して、最高のセールフィーリングを得る。最高というのは、速さだけを指すわけではありません。滑らかさやレスポンス、操作性も含めたフィーリング全てです。

日本では、そこまで割り切れる方が、まだまだ少ないのも事実です。もちろん、どんな風に遊ぶかは各人の自由ですが、シンプルにセーリングに重きを置いた時、あれも、これもと言うわけには行かないけれど、何だか気分がスッキリして、楽になって、気軽にヨットとつきあえる様になったという方が欧米には多い様です。メインテナンスは軽減され、動かすにも大きなエネルギーを必要としない気軽さですね。

日本でも、いつかそういう気軽なセーリングを楽しむ人達が増えていく事を願っています。天気の良い週末には、たくさんのヨットがセーリングを楽しんでいる光景を思い浮かべています。

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