第五十六話 イーグル37デイセーラー


      

2019年にデビューするイーグル37デイセーラー、現在一号艇を建造中ですが、このヨットの特徴は美しいクラシックデザインとその高いパフォーマンス、そしてシングルハンドが容易である事です。

建造はバキュームインフュージョン工法によって、より硬く軽量化を図っており、排水量は3,000KGです。同サイズのクルージング艇の約半分ぐらい。そしてセール面積は59uでクルージング艇と変わらないぐらいです。これだけでもセーリングのパフォーマンスが想像できます。案の定SADRは28にもなります。
デイセーラーですから、セーリングそのものを楽しみたいわけですから、このパフォーマンスはきっと面白いでしょう。

これがベースで、アルミマストをカーボンにしたり、ダクロンセールをハイテク素材にしたり、或いは、メインファーラーにも変更できるし、もちろん電動ウィンチにも変える事ができます。つまりべ―シックな状態で充分パフォーマンスを楽しめるし、オーナーの要望によっては、もっと詳細をアップグレードする事もできる。セーリングの楽しみ方次第です。メインファーラーにしても充分高いパフォーマンスを楽しめると思います。

キャビンはと言いますと、下の図の通り。バウのダブルバースに加えてもうひとつシングルバースがあり、泊まりは3人分、それにソファーとトイレ、これだけですが、少数のショートクルージングには充分でしょう。



一方で、広いコクピットには大きなテーブルを設置する事ができ、さらにこのテーブルに清水シンクと冷蔵庫が設置できます。つまり、遊び方次第ですが、ここが言わばメインサロンとしての機能を発揮します。快適なピクニックから近場のクルージング迄、但し、主たる目的はセーリングを楽しむ事。操作して、その走りの変化を楽しむ事。まさしくデイセーラーです。

セーリングをもっと知りたい、セールフィーリングをもっと堪能したい、セーリングを生涯を通じて学んで行きたい。大雑把なセーリングからもっと微妙な違いまでも知りたい。自由自在に操作したい。そういう方々に相応しいヨットだと思います。
因みにこの一号艇は既に買い手がついたそうです。世界は変化してきています。

これからは、旅を楽しむクルージング艇か、セーリングを楽しむデイセーラーか、もっと明確になっていくのではないかと思います。何が明確かって、使う側のコンセプトが明確に意識されて行きますと、より楽しむ事ができる。世界はもうどんどん進んでますね。どうやったら楽しいか面白いか、一般的では無く、自分自身のスタイルが強く意識されてきています。自分自身が旅派、セーリング派、レース派かがより意識されてきています。それを意識していかないと、何でもできるはずだったのが、どれにも中途半端になってそのうちほったらかしになりかねません。これからは、自分のスタイルをもっと意識して個性を楽しむ時代になると思います。ボールはデザイナーや造船所からオーナー側に投げられたと言えます。

次へ       目次へ