第二十八話 セーリングだけでも良い


      

私、個人的にですが、セーリングするだけで良いと思っています。時に緊張感を感じる本気のセーリング、、時にのんびり、ゆったり、セーリングのあらゆる様相を、長期に渡って探っていきながら、多くの味わいを積み重ねて行く。それで良い。

だからこそ、どんな時でも、セーリングにできるだけ自由自在でありたい。あるデイセーラーの造船所のキャッチフレーズに、”Prettiest Girl At Dance" というのがありましたが、ガールはヨットを指していますが、そんなセーリングができたら良いなと思います。踊る様にセーリングです。

ピクニックもするが主軸じゃ無い。宴会もするかもしれないが主軸にはならない。どこかに行かなくても、ただ、セーリングして、いろんな感覚を味わい、風情を楽しむ。その為に、知識を増やして、腕を磨いて、より自由自在感を感じれれば良い。しかし、一般的には、それでは駄目なんでしょうね?楽しそうな何かを求めるのが普通かもしれません。

奥深いセーリングの何たるかを、少しづつ探って行く。根本的に、どこか遠くへ旅したいとは思っていません。何が何でもレースで勝ちたいとは思っていません。もちろん、出れば勝ちたいし、前を走るヨットを抜きたいし、抜かれるのは悔しい。そんな時はイライラする事もある。でも、レースに夢中にはならない。

マリーナに行って、シングルでも気軽に出して、その日の風を楽しんでくる。良い時もあれば、悪い時もある。いろいろあるのが人生ですから。何でも来いです。来たものは受け取る。それで、自分なりの試行錯誤をしながら、そして、ある時、全てが調和したら、風と波とヨットと自分が調和したら、得も言われぬ感覚が味わえるのでは無いかと、密かに思っています。これはあくまでおまけぐらいで、それを目指してセーリングするわけではありませんが。むしろ、何も目指したりしない。ただ、その日のセーリングをあれこれと味わって行ければ良い。

そんなセーリングライフ、井戸の中の蛙かもしれませんが、その深さを知るであります。あるいは、空の青さを知るだったかな?それも良いと思っています。ヨット最大の謎はセーリングにあり。だから、そのセーリングさえ堪能できれば充分だと思ってます。その他は、みんなおまけみたいなもんです。

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