第四話 デイセーラー/クルーザー?


      

RM890、これもフランスの造船所、コンセプトとしては、前話のMALANGOと同じかな? 8.9mの全長に対して、3.42mの幅。内装はシンプルだが、ギャレーも個室トイレもある。それに何と言ってもハイパフォーマンスだ。これをどう見るか?物足りない?充分?

一般クルージング艇の内装は豪華に見える。でも、そこまでの必要性があるのか無いのか?シンプルだが、短期間なら、近場なら、これでも十分だろうとも考えられる。つまり、キャビン、旅、そういう事をどう考えるか次第になる。もちろん、各人の考え方次第です。

一方、セーリングの方から見ると、どの程度のパフォーマンスを求めるのか?高いパフォーマンスを求めれば求める程、排水量を軽く造る。そうなると、キャビンのシンプル化が現れる。船体を軽く建造していながら、豪華な内装にするというのはナンセンスでしょう。

つまり、クルージングを目的にキャビンを見ていくか、セーリングを目的にパフォーマンス面から見るかによって意見は違って行くだろうと思います。もはや、そのヨットは一般的に言われる、クルージング艇なのか、レーサーなのか、デイセーラーなのか云々というジャンル分けでは大雑把過ぎるのかもしれない。

ヨット界も日々進化しており、従来の概念に当てはまらないデザインが生まれてくる。それは細分化、専門性が強くなる事を意味する。クルージング艇と一言で言っても、いろいろあります。

また、他にも、Pogo30という同じ様なヨットもある。造船所はクルージング艇と称しているが、セーリングはハイパフォーマンスです。速いクルージング艇として顧客を惹きつけたいのかもしれないが、従来のクルージング艇の概念には当てはまらない。まあ、敢えて言うなら、やはりデイセーラー/クルーザーかな?



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