第8話 マストとブーム

アルミ製が主流ですが、中にはカーボンというのもあるし、木製もある。価格面とメンテ
の事を考えるとアルミが最も良いのだろう。そのアルミにしても、細いマストから電信柱
のような太いマストまである。せの高いマストや低いマスト、オンデッキ、スルーデッキ
それぞれが、ヨットの性格によって使い分けられる。

レーサーなら細くて、マストを曲げたりのコントロールがし易い物となる。細いので補強
の為スプレッダーは多くなる。クルージング艇は太いマスト。マストなんか曲がるんかい
なと思ってしまう。でも、クルージングではバックステーアジャスターの無いヨットが多い
ので、それで良いのかもしれない。

オンデッキというのはマストが貫通していないので、マストの中を通って雨水が浸入する
事もないし、オンデッキが良く無いという話も聞かない。あえて言えば、ワイヤーステー
が切れると、マストは倒れるが、スルーは倒れない。(折れるかもしれないが)今では
結構大きなヨットでもオンデッキというのもある。

カーボンマストを持ち上げた事がおありだろうか。一応、持ち上げる前に気持ち的な準備
をする。重いだろうという準備だ。ところが、実際持ってみると、ひょうしぬけするぐらい軽
いのです。びっくりしました。高い所に立つマストだけに軽いにこした事は無い。でも価格
は高いので、一部のレーサー程度にしか使われていない。

マストファーラーとブームファーラーでは、セーリングという点においてはブームファーラー
に軍配があがる。バテンの有無やリーチ側のローチを取れる。トラブルがあってもブーム
だから手が届く。一方、マストファーラーではセールを上げる必要が全く無い。以前は
セールの出し入れ時にセールがかみこんだりしたりトラブルもあった。それに回転が
スムースではなかったり。でも、最近のシステムはかなり良いらしい。セールの出し入れ
も実にスムースらしい。ただ、大きなセール、40フィートとか50フィートとか、マストが
高くなるとどうだろうか?まだ解らない。でも、確実に進歩しています。

個人的には絶対ブームファーラーです。何故なら、セーリング主体だからです。セールを
上げるという行為は必要ですが、でかいヨットなら、電動ウィンチという手もあるし、スライ
ダーにベアリング付きを買えば、かなりスムースに行きます。
便利にする事は大賛成です。しかし、便利さの替わりに、差し出す物がセーリングの面白
さなら、採用したくない。

マストも金属ですから電触します。中にはスタンディングリギンのワイヤーから繋いで、防食
亜鉛を海中にぶら下げている方もおられます。もちろん乗らない時です。そのステイのワイヤ
ーですが、ワイヤーは伸びますので、時折締めなおす必要があります。ロッドならそうでも無い
と思いますが。特に新しいうちは伸びます。

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