第八十四話 ターボチャージャー


      

ある小型のスポーツカーのエンジンは140馬力、そのエンジンにターボチャージャーを設置すると30馬力上がって170馬力になる。全体の2割程度だが、この2割のグレードアップがドライビングをより楽しくさせてくれる。

ヨットのエンジンはセールですが、ノーマルがダクロンだとするなら、他のセールへのグレードアップはこのターボチャージャーを設置するみたいなもの。レーサーでお馴染みのカーボンやケブラーの他にも、各セールメーカーからいろんなセールが出されている。もちろん、ダクロンでも楽しめるが、ターボ付きセールはセーリングをグレードアップしてくれる。セーリング重視のデイセーラーとしては検討に値する。


もう随分昔にはなるが、ケブラーセールがあって、あまりにもボロボロになってきたので次はダクロンセールを新調した。そうしたら、もう以前のような加速感は消えてしまった。面積は変ら無いのに、セールってこんなに違いがあるんだと思った次第です。ダクロンじゃレースに勝てないわけだ。

軽いセール、伸びないセール(伸びにくい)、重いセールじゃ微風の時、自重でだらしなく垂れ下がる。風をはらめないセールは推進力ゼロになる。軽ければ、その分弱い風でも推進力を生んでくれる。さらに、伸びないセールは風が強い時、より推進力となって現れる。伸びると大きくヒールする力になる。

という事はこういうセールの方がより操作はし易くなる。ダクロンは伸びて、それをちゃんとするには、それなりに調整が必要となる。ハイテクの方が楽なんだ。

セールのターボ化がどの程度グレードアップしてくれるかは解らないが、でも、セーリング重視のオーナーにはその違いが明確に解ると思います。だから、多くの造船所はセールはオプションにしたり、ダクロンを標準だとしても、セールのグレードアップをオプション設定している。セーリングの質を上げる為だ。デイセーラーなら、ドジャーなんかよりセールを検討したい。

次へ       目次へ